埼玉全国舞踊コンクール クラシックバレエ1部(成人の部)決選

埼玉県舞踊協会主催、埼玉全国舞踊コンクール クラシックバレエ1部(成人の部)決選の部を観にいく。コンクールを観る際、同じ曲のヴァリエーションでも振付が微妙に違ったりしてその相違がおもしろかったりもするし、何よりもそれまで知らなかった踊り手を知る機会になるのが楽しみだ。審査するわけではないが、技術、表現力(役柄に対する)、音楽性を軸にあと演技のマナー、品格に注目して観覧してみた。
他よりも抜きん出ていると感じたのが、廣岡奈美(海賊のV、貞松・浜田バレエ団)と茂木恵一郎(バジルのV、山本禮子バレエ団)。廣岡は平均点が高く、プロとして魅せる踊りだった。演技にスケールが出ればよりいいようには思うが。茂木はテクニックでは圧倒的に抜きん出ていて文句なし。演技の品格に欠けるのは気になるが、若くて勢いがあるのはいいこと。結果、廣岡が第1位、茂木が第2位の2となった。入賞5・埼玉県舞踊協会奨励賞に入った小島沙耶香(海賊のV、松岡伶子バレエ団)も印象に残った。小島は当初固さもみられたが元気な踊りで観るものを楽しませる。第2位の1に入った半井聡子(海賊のV、貞松・浜田バレエ団)も堅実。半井は先日の東京新聞全国舞踊コンクールでも入賞しているが手堅くまとめる力もプロには大切だ。男性陣では技術、アピール力で茂木に及ばないが、第3位の3に入った牧村直紀(パキータの男性V、ゆかりバレエ)、第3位の3に入った塚本士朗(白鳥の王子のV、貞松・浜田バレエ団)、入賞3に入った有水俊介(海賊のV、ミノリバレエ)、第3位の1に入った渡邊峻郁(海賊の男性V、バレエスタジオPLANE)、第3位の2に入った井植翔太(アルブレヒトのV、法村友井バレエ学校)ら将来性のある人たちが続く。女性で他に気になる人はいたが、プロ活動を本格的にしていないような人だろうから名をあげるのは控えておく。
必ず上位入賞するだろうと思った人を◎、入賞が有力だろうと思う人を○、入賞の可能性はあると思う人を△、個人的に積極的にいいとは思わないが入賞してもおかしくないと思う人を▽としたら、入賞者23名のうち大半はなにかしらチェックを入れた人が入っていた(とはいっても分母60人なのでそうそう外しようもないわけだが…)。今回の審査は偏差値制が導入されていることもあってか比較的バランスの取れた結果が出ていたようには思う。いずれにせよ、コンクールは修行の場。出場者には、結果が良くても悪くても糧にしてステージで大きく羽ばたいてもらいたい。
※出場者の紹介は出演番号の若い順
結果は↓のページでみられる。
http://www.saitamaken-buyoukyokai.jp/2008_CONTEST/
(2008年7月30日 さいたま市文化センター大ホール)