レニングラード国立バレエ『ジゼル』

レニングラード国立バレエ―ミハイロフスキー劇場―『ジゼル』
振付:J.コラーリ/J.ペロー/M.プティパ
改訂演出:N.ドルグーシン
ジゼル:草刈民代
アルベルト:イーゴリ・コルプ
ミルタ:ヴィクトリア・クテポワ
森番ハンス:アレクサンドル・オマール
指揮:カレン・ドゥルガリヤン
演奏:レニングラード国立歌劇場管弦楽団
(2009年1月7日 Bunkamuraオーチャードホール)

草刈民代が踊る最後の古典全幕公演(本当の最終公演は月末の横浜)。草刈はドラマティックなバレリーナである。プティ版『カルメン』やチューダー『リラの園』の演技が印象に残っている。今回は1幕狂乱の場で鬼気迫る演技をみせ、2幕のウィリーになってからの踊りではトウシューズの音を立てないようにするというプロ意識の高さが感じられた(これを出来てないひとが内外問わず著名プリマにも多い)。引退に際してのインタビュー等を読むとバレエへの真摯な思いが感じられる。愛知万博や「ソワレ」等でプロデュース能力を発揮してきたが、プロデュース業は「まだ自分には難しい」と謙虚に語っていた。引退後は女優業に進むようだが、高いスター性とプロデュース力を生かして後進をバックアップし、バレエの普及につとめてくれるのであれば歓迎すべきだろう。