平成20年度文化庁芸術団体人材育成支援事業「現代舞踊公演」

平成20年度文化庁芸術団体人材育成支援事業
「現代舞踊公演」
●中村隆彦『みんな何処へ・・・行進曲』
●鍵田真由美・佐藤浩希『愛と犠牲』
●西田堯『野宴 イーハトーボの四季』
(2009年1月20日 新国立劇場中劇場)

バレエマニアには見逃せない「奇才コルプの世界」もあったのだがフラメンコが観たかったこともありこちらに足を運ぶ。中村作品は「トルコ行進曲」や「G線上のアリア」等ポピュラーな曲を使用、コミカルで親しみやすいダンスのなかに寂しさや人生の哀歓を漂わせる。“おもしろうてやがてかなしき”世界。中村はイベントの振付も手がけ、バレエの松崎すみ子作品に出たりと活躍は多岐にわたる(かって伊藤キムも中村とともに活動していた)。異能の才人である。鍵田・佐藤は洗練されたストイックなフラメンコというよりもいい意味での荒々しさ、原始的なエネルギーを前面に押し出したフラメンコを展開するのが持ち味。荒削りな面があっても有無を言わさぬ説得力がある。西田作品は春夏秋冬折々の自然や風景に息づく踊りをじっくりとみせるものだった。