レニングラード国立バレエ「ミハイロフスキー劇場ガラ」

レニングラード国立バレエ「ミハイロフスキー劇場ガラ」
第1部
●『眠りの森の美女』よりローズ・アダージョ
音楽:P.チャイコフスキー 振付:M.プティパ
●『人形の精』より
音楽:J.バイヤー  振付:S.レガート、N.レガート
●『ロミオとジュリエット』よりバルコニーの場面
音楽:S.プロコフィエフ 振付:O.ヴィノグラードフ
●『せむしの仔馬』より“海と真珠の踊り”
音楽:C.プーニ 振付:M.メッセレル
●『ドン・キホーテ』よりグラン・パ・ド・ドゥ
音楽:L.ミンクス 振付:M.プティパ
第2部
●『ムーア人パヴァーヌ
音楽:H.パーセル 振付:J.リモン
第3部
●『エスメラルダ』より
音楽:C.プーニ 振付:M.プティパ
●『スパルタクス』よりアダージョ
音楽:A.ハチャトゥリアン 振付:G.コフトゥン
●『アダージェット』
音楽:G.マーラー 振付:N.ドルグーシン
●『海賊』第3幕より花園の場&第2幕より
音楽:R.ドリゴ他 振付:M.プティパ/V.チャブキアーニ
出演:レニングラード国立バレエ
指揮:カレン・ドゥルガリアン 演奏:レニングラード国立歌劇場管弦楽団
(2009年1月21日 Bunkamuraオーチャードホール)

庶民的で親しみやすいという劇場のカラーを反映したプログラム。第1部では『人形の精』のような珍しい作品やいかにもロシアらしい演目『せむしの仔馬』より海と真珠が踊られた。第2部の『ムーア人パヴァーヌ』はシェイクスピア劇「オテロ」の舞踊化でありモダンダンスの古典のひとつ。かってルジマートフとシャルル・ジュドの共演した舞台に感銘を受けた記憶がある。今回は芸術監督であるルジマートフとカンパニーのダンサーが好演していた。第3部ではルジマートフによる入魂のソロ『アダージェット』や昨年初演され海外ツアーでも上演している『スパルタクス』からの抜粋など。最後は『海賊』の3幕「花園の場」と第2幕のパ・ド・ドゥをミックスして上演した。メドーラとアリがそれぞれ3人ずつキャスティングされ、3人メドーラによるフェッテ競争や3人アリによるコーダでのピルエットなど祝祭的に盛り上げた。サプライズがルジマートフがアリ役のひとりとして登場したこと。ヴァリエーションで軽やかな跳躍をみせ、コーダでも他の2人のアリとともにピルエットを披露した。ヴァリエーションを終え、立ち上がって舞台袖にはけるところでよろめいたのもご愛敬。孤高のアーティストでありながら観客のこころをつかむマジカルな才能を兼ね備えるルジマートフのまさに面目躍如というところであった。