ナタリー・ポートマン主演「ブラック・スワン/BLACK SWAN」がワールドプレミア

第67回ヴェネチア国際映画祭が開幕し、日本からは村上春樹原作・トラン・アン・ユン監督・松山ケンイチ×菊地凛子主演の「ノルウェイの森」、三池崇史監督による時代劇「十三人の刺客」がコンペティション部門に出品され話題を呼んでいるが、コンペのオープニングを飾ったのがナタリー・ポートマン主演の映画「ブラック・スワン」(原題)。「π」「レクイエム・フォー・ドリーム」で知られる奇才ダーレン・アロノフスキー監督待望の最新作であり、ポートマンがバレリーナ役を演じることで注目されている。
BLACK SWAN - Official HD trailer

かなり前から海外の映画情報サイトなどで制作がアナウンスされていて注目していたが、このほどワールド・プレミアを迎えた。このタイミングで触れるも芸がないが、やはり気になる…。ニューヨーク・シティ・バレエの協力のもと制作されたという映画は、ポートマン扮するバレリーナが「白鳥の湖」の主役に選ばれ、白鳥と黒鳥の一人二役を演じることからはじまるようだ。両役を演じることに苦悩するうちにダークサイドに堕ちていくというスリラーらしい。ライバル役とのレズ・シーンや官能的な描写も多々あるとか。
ポートマンは、リュック・ベッソン監督の「レオン」マチルダ役で魅せた小悪魔的なロリータぶりで世のオヤジや野郎ども陥落させブレイクしたが、その後はそういったロリータ・イメージを敬遠したのか、類似の役は拒んだようで、『スター・ウォーズ』新三部作のヒロインのアミダラを経て、巨匠・マイク・ニコルズ監督「クローサー」のストリッパー役でアカデミー助演女優賞にもノミネートされるなど若手美人演技派として躍進した。バレリーナの体型とはちょっと違う気もするが、今回、撮影前の早くからバレエのレッスンを行い、また体当たりの演技をみせているようなので期待したい。ちなみに、ダンス・シーンの振付を担当したニューヨーク・シティ・バレエのダンサーで俳優でもあるベンジャミン・ミルピエと撮影をきっかけに交際に発展したことも報じられている。
ポートマンは、ハーバード大学で心理学を専攻した知性派であり、映画製作も手掛ける。ニューヨークを舞台に愛をテーマとした「ニューヨーク、アイラブユー」(2009年)では監督も務めた。そして、そこに出演したのがキューバ人で英国ロイヤル・バレエのゲスト・プリンシパルのカルロス・アコスタ。アコスタといえば、今年6月のロイヤルの来日公演『マイヤリング』の初日に主演したが、なんとそれが10年ぶりの日本での舞台だった。「ダンスマガジン」のインタビュー記事では、「ニューヨーク、アイラブユー」についても語っているほか、アコスタ自身の半生を描いた映画を準備していると話している。
最近はバレエを題材にした劇映画・ドキュメンタリーが増えているのはうれしいところ。「ブラック・スワン」はベネチアでも好評のようだ。早く観たい。


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