森優貴 演出・振付 新作『冬の旅』全曲 世界初演へ

神戸の貞松・浜田バレエ団「創作リサイタル22」として10月11日(祝・月)新神戸オリエンタル劇場にて森優貴 演出・振付の新作『冬の旅』全曲 世界初演が行われる。
森は同バレエ団出身で、ドイツでダンサー/振付家として活躍している逸材。弱冠32歳であるが振付経験や受賞歴は豊富だ。欧州のコンテコンテンポラリー・バレエの手法を知悉したうえで独自の感性を感じさせる振付作品を発表しており、国内でも『羽の鎖』『ひかり、肖像』といった話題作を手掛けている。今回、古巣で制作する『冬の旅』は、早逝した天才作曲家フランツ・シューベルトの代表的な歌曲集をハンス・ツェンダーが現代的に編曲した版を用いた超大作。森の才気とダンサーたちの表現力豊かな演技が相まって生み出される詩情豊かなものになりそう。近年は、キリアン、ナハリンらの現代作品を上演し手の内のものとしているカンパニーであるが、そういった作品で吸収してきたコンテンポラリーなテイストと今年創立45周年を迎えるこのバレエ団が創設以来たいせつにしてきたドラマ性が豊かに融合したものになることを期待したい。
なお、本公演のプログラムに森のインタビュー記事が掲載されるが、その取材・文を担当させていただいた。やや長いもので恐縮だが「冬の旅」を創る動機や森の創作作法について語ってもらった。音楽性豊かで繊細な世界観を楽しむ一助になれば。
『冬の旅』のみならず、その前に上演される団員によるコンクール受賞作品の創作も楽しみ。『はっぴぃえんど』振付:玉那覇雄介、『幻想旅行』振付:堤 悠輔 出演:瀬島五月、『ただ天へあこがれて…』振付:瀬島五月、出演:アンドリュー・エルフィンストン。気鋭プリマ瀬島の出演&振付作品が見られるなど小品だが見どころがありそう。
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「ひかり、肖像」(振付:森優貴)