ヘンリク・グレツキ死去

現代ポーランドを代表する作曲家であるヘンリク・ミコワイ・グレツキが12日、同国南部カトウィツェの病院で死去したようだ。76歳。故人の冥福を祈りたい。
ポーランドの作曲家、ヘンリク・グレツキさん死去
http://www.asahi.com/obituaries/update/1113/TKY201011130183.html
ヘンリク・グレツキ氏=ポーランドの現代作曲家
http://www.yomiuri.co.jp/national/obit/news/20101112-OYT1T01200.htm
H・グレツキ氏が死去(ポーランドの現代音楽作曲家)
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/101113/erp1011130030001-n1.htm
グレツキといえば交響曲第3番「悲歌のシンフォニー」。1967年に作曲され1990年代に人口に膾炙し現代クラシック音楽として空前の大ヒットを果たした名作である。管弦楽とソプラノ独唱のための交響曲であり、3つの楽章それぞれに歌詞が入っている。
Symphony of Sorrowful Songs

舞踊化も行われているがコンテンポラリー・バレエからいくつか紹介を。
まずは金森穣作品。キリアンやベジャールに学び帰国後Noismの芸術監督としてわが国のダンスシーンを牽引する金森だが、欧州で活動中に一時帰国して新国立劇場の「J-バレエ」に委嘱され振付けた『悲歌のシンフォニー』は同曲を用いている。2006年に新潟限定で行われたNoismの「能楽堂公演」でも『Lento e Largo 』として抜粋上演された。中野綾子と平原慎太郎の詩的で沈思的なダンスが忘れられない。
また、ドイツを拠点にシュテファン・トスらに師事し、酒井はな、津村禮次郎と組んだ能楽とダンスのコラボレーション『ひかり、肖像』が東京、パリやブタベストで上演され、来春にはオーストリアのチロル州立歌劇場インスブルック・ダンス・カンパニーにシェイクスピア「オセロー」を題材とした新作を発表する森優貴も第3楽章に振付けた。古巣の貞松・浜田バレエ団に提供した『羽の鎖』(2007年)で、すでに再々演されている。
海外での最近の話題といえば、今年5月ウラジーミル・マラーホフ率いるベルリン国立バレエ団でロナルド・ザコビッチが振り付けている。ザコヴィッチ作品といえば、「世界バレエフェスティバル」「マラーホフの贈り物」「ローザンヌ・ガラ」などで紹介され、ポリーナ・セミオノワやSHOKO(中村祥子)らの人気プリマが踊っている。おなじみになりつつあるが、『Symphony of Sorrowful Songs』もなかなかの意欲作のようだ。


グレツキ:交響曲第3番「悲歌のシンフォニー」

グレツキ:交響曲第3番「悲歌のシンフォニー」