『三銃士』等で知られるアンドレ・プロコフスキー死去

少し前のニュースになりますがダンサー/振付家として偉大な足跡を遺したアンドレ・プロコフスキーが8月15日、癌のため南仏の自宅で亡くなったそうです。享年70。
プロコフスキーは1939年、ロシア人の両親の下、パリに生まれました。1950年代後半にはロンドン・フェスティバル・バレエに参加(後年復帰)して頭角をあらわします。1963〜67年までニューヨーク・シティ・バレエプリンシパルも務めました。1962年にガリーナ・サムソヴァとニュー・ロンドン・バレエを設立したことでも知られます。
後年は振付家として活躍しました。日本では日本バレエ協会と法村友井バレエ団が『アンナ・カレーニナ』を、牧阿佐美バレヱ団が『三銃士』を、井上バレエ団が『ロミオとジュリエット』を上演。それらの作品は、ダンス・クラシックのスタイルを崩すことなく劇的に物語を展開するストーリー・バレエとして卓越しています。クランコやマクミラン、ノイマイヤーらの物語バレエに比べると古めかしくも思えますが、オーソドックスなパの連ね方ながらその間に余白があり、踊り手が感情をこめることができる。だからこそ彼の作品は世界各地のバレエ団のレパートリーとして上演され続けたのでしょう。
今年新春、法村友井バレエ団が新国立劇場にて『アンナ・カレーニナ』を上演して好評を得たのは記憶に新しいところ。来年2月には牧阿佐美バレヱ団が東京では5年ぶりに『三銃士』を再演することが決まっています。奇しくも追悼公演となりますが、波乱万丈に富んだ展開と濃い登場人物が織りなす人間模様は楽しめること請け合い。巨匠の死を悼み、その作品が末永く上演され続けることを願わずにはいられません。

http://article.wn.com/view/2009/08/21/andr_prokovsky_dancer_and_ballet_choreographer_dies_at_70/