2010-01-01から1年間の記事一覧

カラヴァッジオ、マラーホフ、ビゴンゼッティ

ヨーロッパ絵画に革命をもたらしたとされるバロック期の天才画家カラヴァッジオ。その全作品を完全収録した作品集が日本語版で刊行された。 数奇な生涯を過ごした彼の芸術を作品を通して読み直したものらしく大判で再現された絵画も売りのようだ。 カラヴァ…

「ダンスマガジン」「オン★ステージ新聞」年末回顧

年末回顧のシーズン。「ダンスマガジン」2月号(12/27発売)の年鑑「バレエ2011」におけるベストステージ&ピープルと音楽、舞踊、演劇、映像の情報、批評による総合専門紙「週刊オン★ステージ新聞」新年号(12/24発売)の洋舞ベスト5&新人ベスト1の発表となっ…

チェーホフ原作のバレエ&ダンス

今年はロシアの劇作家、アントン・チェーホフの生誕150年ということで様々なイベントや上演が行われた。東池袋のあうるすぽっとでは「あうるすぽっとチェーホフフェスティバル2010」が、シアターχでは国際舞台芸術祭IDTF「チェーホフの鍵」が開催されている…

来春のバレエ界の注目は2つの『ドン・キホーテ』

このところ活きのいい若手バレエ・ダンサーがどんどん出てきているし、充実期に入った主役級も少なくない。注目の踊り手が揃って研を競う舞台が来春続けて行われる。演目はともに『ドン・キホーテ』。日本バレエ協会公演と牧阿佐美バレヱ団公演だ。 日本バレ…

2010モダンダンスのコンクール回顧 シニア/創作

先日、「あきた全国舞踊祭」が行われ、結果発表が行われた。これで本年度のモダンダンス系の主要コンクールがすべて終了したことになる。シニア・成人部門および希少な創作部門について結果を振り返っておこう。 第67回全国舞踊コンクール現代舞踊第一部 第1…

松田正隆の試み

『海と日傘』『月の岬』といった名作戯曲を書いた劇作家・演出家の松田正隆(長崎出身)率いるマレビトの会では、2009年以降、原爆投下による惨禍に見舞われた長崎・広島という二つの都市をめぐる「ヒロシマ―ナガサキ」シリーズを展開している。先日はその最新…

垣内友香里/BennyMossの上海公演

振付家・ダンサーとして多くの舞台で活動する垣内友香里/BennyMoss。学生時代に演劇をはじめたのちに、錬肉工房の岡本章に師事。その後ストアハウスカンパニー、伊藤キム+輝く未来を経て独自の活動を続けるアーティストである。 ラボ・アワードを獲得したS…

新旧異色の映画「くるみ割り人形」について

師走の風物詩『くるみ割り人形』の季節。北米ではチャイコフスキーの「くるみ割り人形」にもとづいたファンタジー映画が公開されている。「The Nutcracker in 3D」だ。 公式WEBサイト http://www.nutcrackerin3d.com/ The Nutcracker in 3D Trailer 叔父から…

2010年12月

今月は簡略版にて失礼します。 ★来日公演〜レニングラード国立バレエ公演開幕 海外バレエでは、毎年恒例のレニングラード国立バレエのツアーが始まる。先ごろ、芸術監督がコンテンポラリー系のナチョ・ドゥアトに変わるという衝撃的なニュースがあったが、今…

「バレエ&ダンス逍遥」

健康・スポーツ・子育て等に関する単行本や雑誌を刊行する(株)健康ジャーナル社さんの運営による、バレエを愛する人のための総合情報サイト「大人からのバレエ.com」に観劇レポート&コラムを開始させていただきました。 「高橋森彦のバレエ&ダンス逍遥」 …

高岸直樹&上野水香(東京バレエ団)が入籍!

東京バレエ団プリンシパルの高岸直樹と上野水香が入籍した。 高岸直樹・上野水香、入籍のご報告(東京バレエ団公式ブログ) http://www.thetokyoballet.com/news/ お知らせです。(上野水香 オフィシャルサイト) http://www.mizukaueno.com/jp/message.html両者…

「ダンスマガジン」1月号

「ダンスマガジン」1月号を読む。 DANCE MAGAZINE (ダンスマガジン) 2011年 01月号出版社/メーカー: 新書館発売日: 2010/11/27メディア: 雑誌この商品を含むブログ (1件) を見る ボリショイ・バレエ&マリインスキー・バレエ合同ガラ公演の速報スペシャルが…

フラメンコ舞踊の現在〜小島章司を起点に

わが国のフラメンコ舞踊の第一人者のひとりとして活躍する小島章司。昨年秋に文化功労者に選ばれるという快挙を成し遂げたが、今年年明け早々に左脚アキレス腱断裂という事態に見舞われた。しかし、その後経過は良好らしく、ほとんど完治し、9月21日には徳島…

吉田都/英国ロイヤル・バレエ団日本公演『ロミオとジュリエット』放送

バレエ・ファン周知の情報だが念のため触れておく。 今年6月に東京で行われた吉田都主演/英国ロイヤル・バレエ団公演『ロミオとジュリエット』が本日11月19日(金)NHK芸術劇場で放送される。 http://www.nhk.or.jp/art/current/music.html#music1119 ジュリ…

横浜ダンスコレクションEXコンペティション出場者決定

「次世代支援」「交流事業の強化」に重点を置き、リニューアルした「横浜ダンスコレクションEX(エックス)」(旧横浜ダンスコレクションR)。メインプログラムであるコンペティションは、従来の「作品部門」(コンペティション1)に加え、25歳以下の国内作…

Noism01『人形の家』とNoism&金森穣の予定

Noism01秋の公演『Nameless Hands〜人形の家』新潟公演最終日を観た。新シーズンの開幕を飾る公演だが2004年の結成以来よくぞここまで続いていると思うと感慨深い。前日にはNoismの活動をはじめ文化行政に理解の深い篠田市長が3期目の当選を決めたというニュ…

ヘンリク・グレツキ死去

現代ポーランドを代表する作曲家であるヘンリク・ミコワイ・グレツキが12日、同国南部カトウィツェの病院で死去したようだ。76歳。故人の冥福を祈りたい。 ポーランドの作曲家、ヘンリク・グレツキさん死去 http://www.asahi.com/obituaries/update/1113/TKY…

長内裕美が「15 MASDANZA」 にて受賞!

今春行われた横浜ダンスコレクションR2010「横浜ソロ×デュオ<Compétition>+」にて「若手振付家のための在日フランス大使館賞」「MASDANZA-EU 賞」をダブル受賞した長内裕美(おさない・ゆみ)がスペイン・カナリア諸島で開催された「15 MASDANZA」Solo Con…

ラトマンスキーの躍進

アメリカン・バレエ・シアターが年末年始にアレクセイ・ラトマンスキーの新作『くるみ割り人形』を上演する。バレエ・ファンの間では大きな話題になっている。 ABTの『くるみ割り人形』の紹介サイト http://www.abt.org/nutcracker/index.html 面白そうな演…

ベジャール没後3年

20世紀バレエ革新を大胆に押進めた巨匠モーリス・ベジャールの死からはや3年。 現在、ベジャール・バレエが来日中。ベジャールの衣鉢を継いだジル・ロマンに率いられ、ベジャール死後の同カンパニーの真価が問われるツアーといえる。先日はスービン・メータ…

バランシン・バレエ

このところ牧阿佐美バレヱ団『セレナーデ』、新国立劇場バレエ団『シンフォニー・イン・C』を立て続けにみて「バランシンっていいな」と今更ながらに思った。 バランシンのアブストラクト・バレエが「音楽の視覚化」と呼ばれることは周知のとおりだが、舞踊…

斎藤友佳理 著「ユカリューシャ」の文庫版刊行!

わが国を代表するバレエ団・東京バレエ団のプリマバレリーナとして長年第一線で活躍されている斎藤友佳理さんの書かれた「ユカリューシャ」が文庫本になるようだ。 斎藤友佳理著「ユカリューシャ」が文庫本に http://www.thetokyoballet.com/news/ 不屈の魂…

ニブロール新作『THIS IS WEATHER NEWS』

「あいちトリエンナーレ2010」パフォーミングアーツ部門にて世界初演されたニブロールの新作『THIS IS WEATHER NEWS』。これは彼らの10周年記念作品『Romeo OR Juliet』(2008年)以後初となる劇場での新作発表である。 ニブロールといえば、ディレクター・シ…

周防正行監督の新作「ダンシング・チャップリン」

映画「Shall weダンス?」の周防正行監督が妻で元バレリーナの女優・草刈民代を主演に「ダンシング・チャップリン」(来春公開)を制作していることはすでに報じられた。 これはローラン・プティ作品の名手ルイジ・ボニーノと草刈のダブル主演。チャールズ・…

ユース・アメリカ・グランプリ(YAGP)2010 日本予選結果

入賞者に世界各地のトップクラスのバレエスクールで学べる機会が提供されるユース・アメリカ・グランプリ(YAGP)。国籍を問わず9〜19才のバレエを学ぶ生徒を対象にしたものだ。以前、この種のコンペはローザンヌ国際バレエコンクールの独擅場であったが10年前に…

コンテンポラリー・ダンス 男性振付家の躍進

先日、横浜にあるニュースポット、象の鼻テラスというところで、まことクラヴ『事情地域ヨコハマ』を観た。まことクラヴは“部活動”を自称し、野外でのゲリラ的なパフォーマンスを行ったり、劇場でもダンスだけでないさまざまなアイデアあふれる演出で楽しま…

さまざまのバレエ&ダンス『くるみ割り人形』たち

このほどオーストラリア・バレエ団が3年ぶりに来日してグレアム・マーフィー版の『白鳥の湖』『くるみ割り人形』による東京公演を行った。古典バレエの名作をそれぞれ大胆な解釈によって装いも新たに創り直したもので、『くるみ割り人形』は全幕上演として本…

2010年10月中旬〜11月中旬

★注意事項★ ■原則首都圏の洋舞(バレエ、コンテンポラリー・ダンス、フラメンコ、現代舞踊等)の主なる&見逃せない公演をフォロー。不注意でスルーしてしまうことはお許しください。興味関心や守備範囲によって若干の偏り等が出るかと思いますが、重ねてお許…

国際美術展の楽しみ方

ART

「あいちトリエンナーレ2010」、「瀬戸内国際芸術祭」という国際美術展が今夏からはじまり10月末まで開催されている。マスコミ等でも大変な話題に。 あいちは大体主なところは回って、瀬戸内は直島の展示等の一部しかみていないが、いずれの会場や街角等でも…

森優貴 演出・振付 新作『冬の旅』全曲 世界初演へ

神戸の貞松・浜田バレエ団「創作リサイタル22」として10月11日(祝・月)新神戸オリエンタル劇場にて森優貴 演出・振付の新作『冬の旅』全曲 世界初演が行われる。 森は同バレエ団出身で、ドイツでダンサー/振付家として活躍している逸材。弱冠32歳であるが振…