2010-01-01から1年間の記事一覧

平山素子新作ソロ『Carp with wings, me』

「あいちトリエンナーレ2010」パフォーミング・アーツ「まちなかパフォーマンス」の一環として行われた平山素子の新作ソロ『Carp with wings, me』を観てきた(10月3日所見)。 これはハープ奏者で平山と同じく名古屋出身の神谷朝子とのコラボレーションである…

顕彰・舞踊賞ガイド

秋の芸術シーズンたけなわだが、間もなく年末となり、そして年が明けると各舞踊賞や顕彰の発表がどんどん行われていく(秋の叙勲はまもなく発表)。各賞について一般にはさほど知られていないはず。洋舞に関する主なものを簡単ではあるが紹介してみようと思う…

獅子の舞たち

本日、10月1日、文化庁芸術祭祝典として「アジアを結ぶ獅子たち」が行われる。 これは獅子をキーワードに、わが国をふくめたアジア三カ国の民族舞踊を披露するというものだ。バレエやコンテンポラリー・ダンスの観客も機会があればさまざまの民族舞踊にも触…

三池崇史監督映画の振付等について

先日行われたベネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品され、惜しくも賞は逃したものの地元メディア等で好評を博したと報じられたのが三池崇史監督の時代劇映画「十三人の刺客」。これは東映京都撮影所の製作、工藤栄一監督・片岡千恵蔵主演により196…

ヤン・ファーブル、貞松・浜田バレエ団、モノクロームサーカス×服部滋樹(graf)、日本舞踊 五耀會、チェルフィッチュ

9/23(木・祝)〜25(土)までの3日間は関西・中国方面に取材出張&観劇に出ていた。改めて触れる機会もあるかもしれないので、ここでは簡単な報告のみ。 23日はまず兵庫・伊丹アイホールにてヤン・ファーブル『Another Sleepy Dusty Delta Day〜またもけだるい…

文化庁からの支援金等の適正な使用について

文化庁からの支援金を不正に受給していた団体があったというニュースが先日報じられた。それに対して文化庁では、芸術団体等に対して支援金等の適正な使用及び不正行為等を行った芸術団体等の応募制限を定めたことを通知した。 文化庁からの支援金等の適正な…

伊東豊雄の高松宮殿下記念世界文化賞受賞と山崎広太『Choron』(2001年)など

先日、第22回高松宮殿下記念世界文化賞の受賞者が発表された。建築部門には伊東豊雄が選ばれた。伊東は1970年代から実験的な建築を手掛けてきており、その仕事にはつねに都市や消費社会への批評眼が注がれてきたといわれる。舞台芸術関係でも、まつもと市民…

2010年9月中旬〜10月中旬

★注意事項★ ■原則首都圏の洋舞(バレエ、コンテンポラリー・ダンス、フラメンコ、現代舞踊等)の主なる&見逃せない公演をフォロー。不注意でスルーしてしまうことはお許しください。興味関心や守備範囲によって若干の偏り等が出るかと思いますが、重ねてお許…

東京バレエ団『ジゼル』横須賀芸術劇場公演・斎藤友佳理&木村和夫主演

東京バレエ団が『ジゼル』全幕の全国ツアーを展開している。9月8、9日に東京で催したアリーナ・コジョカル&ヨハン・コボーという英国ロイヤル・バレエ団のスターを招いての上演を経て、10日から首都圏近郊および地方での公演が始まった。主演はいずれもバレ…

舞踏家・岩名雅記の監督する映画『夏の家族』

舞踏家・岩名雅記の監督する長編劇映画第2作『夏の家族』が10月9日(土)より東京・渋谷アップリンクファクトリーXにて公開される。7月に試写をみさせていただいた。公開も迫ってきているので、簡単ではあるが紹介しておきたいと思う。 岩名は1945年生まれ。…

東京バレエ団『ジゼル』アリーナ・コジョカル&ヨハン・コボー主演初日&全国ツアー

東京バレエ団『ジゼル』全幕@ゆうぽうとホール(9/8-9日)初日を観た。ジゼル役にアリーナ・コジョカル、アルブレヒト役にヨハン・コボーという、英国ロイヤル・バレエ団屈指の名プリンシパルにして公私に渡るコンビを迎えた公演として注目された。 コジョカ…

7〜8月のダンス公演、フリンジ系を中心に

7〜8月に観た公演のなかから、小スペースでの公演というかフリンジ系の公演、バレエ雑誌や業界紙等の媒体に評・レビュー等が出ることが少ないと思われるもの、評論関係者をあまり見かけなかった公演等について簡単な感想を記しておこうと思う。なお、すでにb…

首藤康之×シディ・ラルビ・シェルカウイ『アポクリフ』

首藤康之×シディ・ラルビ・シェルカウイ『アポクリフ』初日を観る。 モロッコ系ベルギー人で、最注目される振付家・ダンサーのひとりシェルカウイ。彼が聖書から排除された言葉を集めた外伝「アポクリフ」をモチーフにした本作は、かつてモーリス・ベジャー…

ナタリー・ポートマン主演「ブラック・スワン/BLACK SWAN」がワールドプレミア

第67回ヴェネチア国際映画祭が開幕し、日本からは村上春樹原作・トラン・アン・ユン監督・松山ケンイチ×菊地凛子主演の「ノルウェイの森」、三池崇史監督による時代劇「十三人の刺客」がコンペティション部門に出品され話題を呼んでいるが、コンペのオープニ…

東京バレエ団『ジゼル』全国公演ダンサー紹介記事を寄稿(ネット上でも一部閲覧可)

来る9月8日、9日、東京・五反田ゆうぽうとホールにて、東京バレエ団 が英国ロイヤル・バレエ団からアリーナ・コジョカル&ヨハン・コボーを招いて『ジゼル』全幕を上演する。英国ロイヤル・バレエきっての若き名花コジョカルが十八番のジゼル役を公私のパー…

平成23年度文化庁概算要求の概要について

平成23年度文化庁概算要求の概要が発表された。 平成23年度文化庁概算要求の概要(PDF形式(140KB))http://www.bunka.go.jp/bunka_gyousei/yosan/pdf/23_gaisan_gaiyou.pdf 平成23年度概算要求主要事項説明資料(PDF形式(3.72MB))http://www.bunka.go.jp/bu…

木村和夫の実力

発売中の「ダンスマガジン」10月号の対談インタビュー記事(聞き手:三浦雅士)に登場したのが木村和夫(東京バレエ団)。記事は題して“「オネーギン」、奇跡の秘密〜斎藤友佳理と築いたパートナーシップの舞台裏”。今年5月に行われた『オネーギン』でタイトル・…

地域からの発信とさらなる可能性〜「全国合同バレエの夕べ」と「スペシャル ダンス セレクションinひょうご」の意義

バレエ界と現代舞踊界において、それぞれ夏に重要なイベントが行われる。日本バレエ協会の「全国合同バレエの夕べ」と現代舞踊協会の「現代舞踊フェスティバル」である。今年で前者は34回目、後者は31回目。バレエ協会に関しては各支部、現代舞踊協会に関し…

平成22年度(第65回)文化庁芸術祭参加公演一覧

平成22年度(第65回)文化庁芸術祭参加公演一覧が発表された。 平成22年度(第65回)文化庁芸術祭参加公演一覧 http://www.bunka.go.jp/geijutsu_bunka/geijutsusai/22_geijutsusai.html 関東、関西でそれぞれ開催されるが、そのラインナップを観て簡単な雑…

あいちトリエンナーレ2010、開幕!

“都市とアートが響き合う、3年に一度の国際芸術祭”として今年スタートしたあいちトリエンナーレ2010。現代美術とパフォーミングアーツを中心とした現代芸術の多様性を示す意欲的なプログラムが並んでいる。8月20日に行われた内覧会およびレセプションには出…

東京バレエ団『ドン・キホーテ』ダニール・シムキン&小出領子 初日

東京バレエ団『ドン・キホーテ』初日@ゆうぽうとホールを観た。ダニール・シムキン&小出領子 主演。公演プログラムに、小出と他日に主演する上野水香&高岸直樹についての紹介記事を寄稿させていただいたこともあって楽しみにしていた。 昨夏の世界バレエ…

2010年8月下旬〜9月下旬

久々の更新となり8/1〜8/19までの公演が抜け落ちてしまいました。 8/20-9/30の間のリストになります。 ★注意事項★ ■原則首都圏の洋舞(バレエ、コンテンポラリー・ダンス、フラメンコ、現代舞踊等)の主なる&見逃せない公演をフォロー。不注意でスルーしてし…

こまばアゴラ劇場の新フェスティバルの名称決定&ディレクターに矢内原美邦が就任

こまばアゴラ劇場では、これまで「大世紀末演劇展」「サミット」というフェスティバルを催して若手劇団や首都圏外の劇団を紹介するなど演劇界の活性化を促してきた。そして2011年からの展開にあたって、「Performing Arts Network」の頭文字でもある「PAN」…

佐多達枝 合唱舞踊劇O.F.C.『カルミナ・ブラーナ』映像

合唱舞踊劇O.F.C. (代表:柴大元)による佐多達枝 演出・振付の合唱舞踊劇『カルミナ・ブラーナ』の映像が新たに編集されYouTubeにアップされている。 “歌、踊り、そして打楽器等の演奏、これら根源的な人の表現手段を有機的に結びつけた新しい融合芸術”を合唱…

vol.2 森優貴(ヴィースバーデン・バレエ/トス・タンツカンパニー)

現在、欧米のバレエ団やダンスカンパニーで活躍する日本人ダンサーは珍しくない。そればかりか、なかには振付も手掛け成功を収める人も出てきた。ルードラ・ベジャール・ローザンヌ、リヨンオペラ座バレエ、ヨーテボリ・バレエで踊り、モーリス・ベジャール…

維新派『台湾の、灰色の牛が背のびをしたとき』&東野祥子『私はそそられる―Inside Woman』

野外での充実した舞台を続けてみた(「清里フィールドバレエ」については既報)。 ひとつは岡山県は瀬戸内海の犬島で行われた維新派公演『台湾の、灰色の牛が背のびをしたとき』(7月24日観劇)。岡山駅からバスに乗り、新岡山港からフェリーで移動して島に向か…

「ローザンヌ・ガラ2010」にみる現代バレエの現在形と未来のゆくえ

1989年に行われた「ローザンヌ国際バレエコンクール東京開催」を記念して、その会場となった青山劇場を舞台に繰り広げられるガラ・コンサート「ローザンヌ・ガラ」が3回目を迎えた(8月7日所見)。同コンクール東京開催の際に名誉総裁を務められ、バレエのみ…

『コッペリア』三昧の秋

近年、我が国のバレエ界においてチャイコフスキー三大バレエ、それに『ジゼル』や『ドン・キホーテ』とともにもっともよく上演される全幕バレエが『コッペリア』だろう。パリ・オペラ座で1870年に初演されたこのバレエは、E.T.A.ホフマンの「砂男」に想を得…

「踊りに行くぜ!!」2参加ダンスアーティスト決定

2000年からスタートして全国各地のスペース間をつないでコンテンポラリー・ダンスの存在と魅力を広く紹介してきたJCDN/ジャパン・コンテンポラリー・ダンス・ネットワーク「踊りに行くぜ!!」。10周年を一区切りとして本年からは「踊りに行くぜ!!」2(セ…

里帰り組の活躍

毎年夏になると、海外で活躍する「里帰り組」の活動が楽しみなところ。 ダンサーでいえば、先日行われた文化庁主催の「バレエ・アステラス☆2010」や、今週末に行われる「ローザンヌ・ガラ2010」というガラには、欧米のカンパニーで活動する踊り手が華やかに…