2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

国際水準のレパートリー導入についての考察

来る9月、韓国の2大バレエ団が世界的巨匠の代表作を相次いで初演することが話題を集めています。韓国国立バレエは、ボリス・エイフマン振付『チャイコフスキー』をゲストにウラジーミル・マラーホフを迎えて上演。民間で資金が潤沢とされるユニバーサルバレ…

小嶋直也 華麗なる復活と躍進!!(from 大阪)

現在発売中の雑誌「DDD」10月号の連載「関西バレヱ通信」に小嶋直也のインタビューが掲載されています。取材・文は関西在住の舞踊ジャーナリスト・菘あつこさん。 DDD (ダンスダンスダンス) 2009年 10月号 [雑誌]出版社/メーカー: フラックスパブリッシング…

『三銃士』等で知られるアンドレ・プロコフスキー死去

少し前のニュースになりますがダンサー/振付家として偉大な足跡を遺したアンドレ・プロコフスキーが8月15日、癌のため南仏の自宅で亡くなったそうです。享年70。 プロコフスキーは1939年、ロシア人の両親の下、パリに生まれました。1950年代後半にはロンド…

ARTE Y SOLERA/desnudo Flamenco Live vol.3「小島章司 魂の贈り物」

男たちだけによる力強く、激しい舞台。でも、そこに野暮ったさは微塵もなくて端正で凛とした美しさがある――ARTE Y SOLERA主催によるdesnudo Flamenco Live vol.3「小島章司 魂の贈り物」は、稀にみる高揚感溢れたステージでした。芸術祭大賞等に輝く鍵田真由…

MOKK LABO#5「古民家」のダイジェスト動画

8月1、2日に奈良県五條市新町通りの古民家にて開催された、新町通りダンス アート2009MOKK LABO#5「古民家」のダイジェスト版動画がyoutubeにupされました。 先日当blogにて感想を書きましたが、古民家というレトロなロケーションと夕暮れていく時間のなかで…

ケイ・タケイ’s ムービングアース・オリエントスフィア・LIGHT, Part 7『Diary of the field―創作畑の日記』

ケイ・タケイ(武井慧)という舞踊家/振付家をご存知でしょうか? 日本が生んだ舞踊家としてもっとも国際的に名を知られたひとりであり、オックスフォード舞踊辞典にもその名がのるほど。以前、タケイについて調べる機会があり、実際に舞台を観たこともあるの…

伊藤キム/あざみ野Dance Creation for YOUTH『...open close open...』

コンテンポラリー・ダンス界の寵児として名を成したダンサー/振付家の伊藤キム。2005年に半年間の世界一周の旅を行い、帰国後は新カンパニー「輝く未来」を立ち上げて若手育成に乗り出しています。京都造形芸術大学の准教授も務め後進を指導しており、さら…

栃木・那須高原/アート・フェスタ那須2009「SPECTACLE IN THE FARM」

私事ながら今年は首都圏以外のコンテンポラリー・ダンス公演やフェスティバルにあまり足を運べず残念ですが、今秋も各地でさまざまなイベントが行われるようですね。 9月26-27日には、栃木県の那須高原において「アート・フェスタ那須2009」関連企画として「…

日生劇場 国際ファミリーフェスティバル/スターダンサーズ・バレエ団『シンデレラ』

東京・日比谷にある日生劇場が毎夏行っている主催事業公演が「国際ファミリーフェスティバル」です。内外の団体による、家族連れの楽しめる舞台芸術を上演してきました。バレエもこのところ毎年上演され、在京バレエ団中心に持ち回りで担当しているようです…

こまばアゴラ劇場で行われるダンス公演について

東京・目黒区の駒場東大前にあるこまばアゴラ劇場は、平田オリザ率いる青年団の本拠地として知られてきました。2003年以降は貸劇場業務を一切行わず、全公演を劇場のプロデュースとしています。各劇団と連携して作品制作を行い、若手演劇人やカンパニーを育…

第12回「世界バレエフェスティバル」の意義と成果

3年に一度のお楽しみ第12回「世界バレエフェスティバル」が先日幕を下ろしました。祭りの後の漠たる寂寥感を感じている方も少なくないのでは。今回、A・Bプロ、ガラ、全幕プロ3公演、一昨年逝去したモーリス・ベジャール追悼の特別プロ「オマージュ・ア・ベ…

バレエ・コンクールの創作作品の振付について

日本バレエ協会主催・第20回全日本バレエ・コンクールの最終日・決勝を観にいきました。バレエ協会各支部開催の予選等を通過したダンサーのみ本選に参加できます。その本選では、アンシェヌマン審査、課題曲2曲審査、創作作品審査が行われ、予選3日・準決勝…

テアトル・ド・バレエ カンパニー設立(from 名古屋)

名古屋には多くのバレエ団が林立しています。創立50年を優に超える老舗は少なくなく、全国的に注目される大手団体も。そんななか1980年に設立された塚本洋子バレエ団は歴史的にみれば中堅どころながら創設以来躍進を遂げてきました。 公演活動を行う傍ら、多…

Noism1『NINA‐物質化する生け贄』台湾公演決定

既報ですが、金森穣率いるNoism1が今秋10月に台湾の国立中正文化中心(National Chiang Kai-shek Cultural Center)にて公演を行うようですね。 2005年初演の『NINA』は、これまでに北南米・ロシア・韓国でも上演されています。人間と物質をテーマにしたこの…

戦後65年に向けて〜日本バレエの過去・現在・未来

このところ、国内の各バレエ団が創立○○周年記念と銘打った公演や祝賀パーティを開いています。去年から今年にかけてだけでも松山バレエ団(1948年創立)、谷桃子バレエ団(1949年創立)といった老舗をはじめチャイコフスキー記念東京バレエ団(1964年創立)、さら…

東野祥子/BABY-Q新作『[リゾーム的]なM』

コンテンポラリー・ダンスの中堅・若手振付家では、白井剛、鈴木ユキオ、梅田宏明、KENTARO!!ら男性陣の活躍も目につくものの女性アーティストの創作に圧倒的なインパクトを受けることが少なくありません。特にニブロールの矢内原美邦、BATIKの黒田育世らと…

アキコ・カンダ モダンダンス公演「おもかげ」

現在のダンスシーンにおいて注目されるのは、今日的な感覚に富んだもの、形式面の新しさを打ち出したものです。現代音楽や現代美術同様に芸術思潮の流れからして当然のことであり、モダンはポストモダンに、ポストモダンはコンテンポラリーに乗り越えられる…

第12回世界バレエフェスティバル Aプロ・Bプロ

待ちに待った第12回世界バレエフェスティバルが公演中。A・Bプロを観てまず思ったのは、やはりこれだけのトップスターが集る場は得難い!ということ。1980年代後半から活躍してきた大物ダンサーたちが一堂に会する機会は、残念ながら今回がひょっとすれば最…

『バレエ名作ガイド』

“バレエの魅力の中心はダンサーです”これは、このたび新書館から刊行された『バレエ名作ガイド』「鑑賞のポイント」の最初の言葉です。主役、ソリスト、コール・ド・バレエに至るダンサーたちの魅力を引き出す作品こそ名作として残る、という当たり前のようで…

第20回清里フィールドバレエ『白鳥の湖』8/5公演

避暑地として知られる山梨県北杜市高根町清里のサマーシーズンの風物詩となった「清里フィールドバレエ」に今年も行ってきました!楽しかったです!! 主催は萌木の村とバレエシャンブルウエスト(主宰:今村博明・川口ゆり子)。八ヶ岳の南麓、標高1,200メート…

JCDNビデオダンス「DANCE×MUSIC!vol.3」

DVD

“部屋で映画を観るように、ダンスを観よう!!”を惹句に制作されているJCDNビデオダンスシリーズ。以前にも触れましたが、6月に最新作「DANCE×MUSIC!vol.3」がリリースされました。鈴木ユキオ[金魚]×辺見康孝『Love vibration』とyummydance×トウヤマタケオ…

コレオグラファーズYダンスコンサートvol.2、服部有吉×辻本知彦×群青『3D』、MOKK LABO#5『古民家』、EAST DRAGON 2009

コレオグラファーズYダンスコンサートvol.2 安田敬の主宰するダンスカフェとムーブ町屋・日暮里サニーホール指定管理者シービーシーメソッド主催公演。若手ダンサー/振付家が、照明を中心に劇場スタッフの協力を得てステップアップする場として大変貴重です…

2010年の来日公演

まだ先で気が早いですが、来年度(2010年)の来日バレエ/ダンスのラインアップが明らかになりつつあります。世界的な経済不況といわれながらビッグカンパニーが続々来日するのは楽しみなところ。目についたものを挙げておきましょう。 1月には前年12月からツ…