2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

国立劇場主催公演「舞踊−源平絵巻−」を観て

日本舞踊に関しては、個人的な趣味で観に行くのと、ごく稀にご案内いただくものが中心になる。とはいえ国立劇場の主催公演は都合がつけば足を運ぶようにしている。ことに秋に行われる「舞の会-京阪の座敷舞」は見逃せないものであり、極上の上方地唄舞を存分…

Noism『NINA-物質化する生け贄(ver.black)』パリ公演(2009年12月)が決定

金森穣率いる新潟発のNoismが来る6月にモスクワ・チェーホフ演劇祭にて最新作『Nameless Poison〜黒衣の僧』を上演するのは既報でここでも取り上げたが、年末12月には代表作『NINA-物質化する生け贄(ver.black)』のパリ公演も決まったようだ。 「NINA-物質…

「追悼ピナ・バウシュ」DVD上映、トーク、演奏、ダンス、展示@ドイツ文化会館

コンテンポラリー・ダンスの巨匠ピナ・バウシュが逝去してはや一年近くが経つ。ピナの率いていたヴッパタール舞踊団の死後初となる来日公演『Komm tanz mit mir(私と踊って)』にあわせてドイツ文化会館で追悼イベントが5月10日に行われる。 映像上演や関係…

追憶:針生一郎、勅使河原宏、荒川修作、山口小夜子

先日、前衛美術評論で知られる針生一郎の死去が報じられた。針生は、反権威的・アヴァンギャルドな評論で知られ、1960年代以降現在に至るまでのアートシーンを語るうえで欠かせない論客のひとりだった。近年では、長編ドキュメンタリー映画「日本心中」や若…

Noism1が6月、チェーホフ国際演劇祭に参加

金森穣率いるNoism1がチェーホフ国際演劇祭に参加することは以前から報じられていたが、いよいよその時が近づいてきた。昨秋に初演された『Nameless Poisn〜黒衣の僧』は同演劇祭との共同制作作品であり、6月4〜6日にモスクワで上演。 http://chekhovfest…

「トヨタコレオグラフィーアワード2010」“ネクステージ”(最終審査会)出場者決定

トヨタ自動車株式会社の芸術文化支援活動の一環として行われる「トヨタコレオグラフィーアワード」は、若手振付家の登竜門となるコンペティションとして定着している。2001年創設であり、今年で7回目。229名(組)の応募のなかからファイナリスト選考会(映像…

「オックスフォード バレエダンス事典」日本語版刊行!

ついに「オックスフォード バレエダンス事典」邦訳版が出る!早速先日予約した。 監訳:鈴木晶、訳:赤尾雄人、海野敏、鈴木晶、長野由紀という、日本を代表する舞踊評論家のお歴々が4年の時間をかけて翻訳したそうだ。辞典・辞書類の出版には定評ある平凡社か…

勅使川原三郎×佐東利穂子『オブセッション』を観て

勅使川原三郎が弟子の佐東利穂子と踊るデュオ『オブセッション』(5月20日〜23日 Bunkamuraシアターコクーン、6月5日 兵庫芸術文化センター)。ルイス・ブニュエル×サルバトール・ダリによる映画「アンダルシアの犬」をモチーフにしたという同作は昨年5月にフ…

伊藤道郎の再評価

センスのいいコンテンポラリー・バレエを上演し続けるラ ダンス コントラステの第14回アトリエ公演(5月18、19日 吉祥寺シアター)を観た。今年のコントラステのテーマはオペラ。秋にも公演が行われるが今回は、主宰の佐藤宏が「ラ・ボエーム」を題材に『ミミ…

東京バレエ団・クランコ振付『オネーギン』初演

物語バレエの巨匠と称されるジョン・クランコ屈指の名作であり、ドイツのいくつかのバレエ団や世界の一流カンパニーにしか上演が許されていないレパートリーを日本のバレエ団としては初上演するということで大変な注目を集めていた。西洋(ロシア)の田舎の貴…

佐藤小夜子の挑戦

尾張・名古屋は古くから芸どころとして知られ、舞踊もなかなか盛んである(特にバレエ)。とはいえ、私的には、時おりバレエを見に行く機会があるのと、愛知芸術文化センターによる自主企画公演に足を運ぶくらい。管見ということもあり、モダンやコンテンポラ…

チェルフィチュ公演をめぐっての緊急シンポジウム

現在、ラフォーレミュージアム原宿にて上演されてる(19日まで)チェルフィッチュ公演『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』を話題の出発点に、気鋭のライターたちが現代のアートと社会をめぐって語り合うというシンポジウムに足を運んだ。 夜更け…

山路曜生氏死去

創作日本舞踊家の山路曜生さんが亡くなられた。享年80歳。 http://www.asahi.com/obituaries/update/0513/NGY201005130013.html 名古屋を中心に個人舞踊家として活動された創作邦舞のベテランであり、洋舞関連でも現代舞踊の公演の演出等を手がけられている…

伊藤千枝率いる珍しいキノコ舞踊団が仲里依紗&光浦靖子出演CMに登場!!

女優の仲里依紗とタレントの光浦靖子が出演するサントリー「ニチレイ アセロラ」シリーズ新CM(本日11日から放送)に珍しいキノコ舞踊団が出演している。仲、光浦と伊藤千枝らキノコメンバーが赤の衣装を着て、コミカルな体操を披露。振付も伊藤のようだ。 キ…

沖縄で今夏、初の本格的バレエコンクール開催

わが国で行われているバレエコンクールは年々増え続け、もはや20や30と言う数では済まない状態に。今年になっても既に長野、浜松で新たなコンクールが行われ、夏には横須賀でも新規のものが開催される。そんななか注目したいのが、今夏、わが国の南西部、最…

チェルフィッチュ『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』初日

演劇とダンスの境界を自在に往還して注目を浴びるチェルフィッチュ。最新作『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』は、HAU劇場(ベルリン)との共同制作によって2009年10月に世界初演され、5月7日から19日までの東京公演@ラフォーレミュージアム…

「踊りに行くぜ!!」2、概要発表&公募開始

JCDNの「踊りに行くぜ!」2(セカンド)の公募開始が始まった。 各地のスペース間の巡回上演を通してコンテンポラリー・ダンスの普及・発展に尽くしてきた「踊りに行くぜ!!」。以前から示唆されていたが、10周年を一区切りに、既存作品の紹介ではなく、制作環…

牧阿佐美バレヱ団『くるみ割り人形』DVD発売

DVD

牧阿佐美バレヱ団の『くるみ割り人形』が発売された(昨年12月公演を収録)。 金平糖の精:伊藤友季子、雪の女王:青山季可、王子:京當侑一籠、クララ:阿部裕恵。なんといっても、伊藤と青山という若手気鋭プリマを一度に観られる!のがうれしい。ほかにも、シュ…

松山バレエ団・森下洋子の踊る『ロミオとジュリエット』

ゴールデンウィークのバレエといえば松山バレエ団恒例の5月公演。会場はいつもどおりBunkamuraオーチャードホール。今年は『ロミオとジュリエット』全幕だった。 構想・構成・台本・演出・振付を手がける清水哲太郎は、再演のたびに手直しを加え、作品をより…

創作バレエの新しい波

日本のバレエ界は優れたダンサーを無数輩出しつつも世界水準で通用するような傑出した振付家/創作作品はなかなか生み出しえない。要因はさまざまあろうが、在野に優秀な振付家がいても作品発表の場を持ったり、一流ダンサーを集めるのが難しいこと、仮にい…