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第56回 岸田國士戯曲賞に矢内原美邦&ミクニヤナイハラプロジェクトvol.6『幸福オンザ道路』について

第56回岸田國士戯曲賞(白水社主催)の選考会が2012年3月5日(月)東京神田神保町・學士會館で行なわれ、ノゾエ征爾『○○トアル風景』、藤田貴大『かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと、しおふる世界。』、矢内原美邦『前向き!タイモン』が受賞作に決定…

ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』と「死のダンサー」を踊った中島周

16世紀後半から17世紀初頭にかけて活躍したウィリアム・シェイクスピアの著した戯曲「ロミオとジュリエット」はいわずと知れた名作だ。時代を超えて数々の舞台化や映画化が行われてきたけれども、フランスのジェラール・プレスギュルヴィックが2001年1月、フ…

松田正隆の試み

『海と日傘』『月の岬』といった名作戯曲を書いた劇作家・演出家の松田正隆(長崎出身)率いるマレビトの会では、2009年以降、原爆投下による惨禍に見舞われた長崎・広島という二つの都市をめぐる「ヒロシマ―ナガサキ」シリーズを展開している。先日はその最新…

ヤン・ファーブル、貞松・浜田バレエ団、モノクロームサーカス×服部滋樹(graf)、日本舞踊 五耀會、チェルフィッチュ

9/23(木・祝)〜25(土)までの3日間は関西・中国方面に取材出張&観劇に出ていた。改めて触れる機会もあるかもしれないので、ここでは簡単な報告のみ。 23日はまず兵庫・伊丹アイホールにてヤン・ファーブル『Another Sleepy Dusty Delta Day〜またもけだるい…

あいちトリエンナーレ2010、開幕!

“都市とアートが響き合う、3年に一度の国際芸術祭”として今年スタートしたあいちトリエンナーレ2010。現代美術とパフォーミングアーツを中心とした現代芸術の多様性を示す意欲的なプログラムが並んでいる。8月20日に行われた内覧会およびレセプションには出…

こまばアゴラ劇場の新フェスティバルの名称決定&ディレクターに矢内原美邦が就任

こまばアゴラ劇場では、これまで「大世紀末演劇展」「サミット」というフェスティバルを催して若手劇団や首都圏外の劇団を紹介するなど演劇界の活性化を促してきた。そして2011年からの展開にあたって、「Performing Arts Network」の頭文字でもある「PAN」…

維新派『台湾の、灰色の牛が背のびをしたとき』&東野祥子『私はそそられる―Inside Woman』

野外での充実した舞台を続けてみた(「清里フィールドバレエ」については既報)。 ひとつは岡山県は瀬戸内海の犬島で行われた維新派公演『台湾の、灰色の牛が背のびをしたとき』(7月24日観劇)。岡山駅からバスに乗り、新岡山港からフェリーで移動して島に向か…

ミクニヤナイハラプロジェクトvol.5 『幸福オンザ道路』

ディレクター制によるアート集団であるニブロールを主宰する矢内原美邦が主に「演劇」を上演するために立ち上げたのがミクニヤナイハラプロジェクト。ただ、そこで上演されるものは、常識的な意味での演劇とは趣を異にする。何を喋っているのかわからぬ位に…

チェルフィチュ公演をめぐっての緊急シンポジウム

現在、ラフォーレミュージアム原宿にて上演されてる(19日まで)チェルフィッチュ公演『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』を話題の出発点に、気鋭のライターたちが現代のアートと社会をめぐって語り合うというシンポジウムに足を運んだ。 夜更け…

チェルフィッチュ『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』初日

演劇とダンスの境界を自在に往還して注目を浴びるチェルフィッチュ。最新作『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』は、HAU劇場(ベルリン)との共同制作によって2009年10月に世界初演され、5月7日から19日までの東京公演@ラフォーレミュージアム…

長谷川寧の打ち出す越境という試み〜[EKKKYO-!]

[EKKKYO-!](1月14日〜17日 東京芸術劇場小ホール1)という催しを観ました。冨士山アネットのproduce公演。これは、演劇やダンス、パフォーマンスといった枠を超えて、いま、注目されるエッジーな団体やアーティストを企画・構成の長谷川寧みずからセレクトし…

ウィーン産ミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』

7月4日からミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』が上演されています(帝国劇場で八月末まで上演)。脚本・歌詞を空前の大ヒット作『エリザベート』のミヒャエル・クンツェが担当したウィーン産ミュージカル。原作は「チャイナタウン」「テス」「戦場のピ…

ミクニヤナイハラプロジェクトvol.4『五人姉妹』

ダンス・映像・音楽・衣装等のディレクターが集うニブロールを主宰する振付家/ダンサーの矢内原美邦。同時に彼女は、映像の高橋啓祐とのユニットoff nibrollやミクニヤナイハラプロジェクトといったユニットを結成し個人での表現活動にも意欲的です。矢内原…

「15 MINUTES MADE VOLUME 5」

Mrs.fictions presents「15 MINUTES MADE VOLUME 5」 ●Mrs.fictions『松任谷由実物語』 ●The end of company ジエン社『私たちの考えた終わる会社の終り』 ●MOKK『case_1』 ●青☆組『恋女房』 ●東京ネジ『再会(夏目漱石「夢十夜」第一夜より)』 ●DULL-COLORED…

ロメオ・カステルッチ『Hey Girl!』

フェスティバル/トーキョー09春 ロメオ・カステルッチ『Hey Girl!』 演出:ロメオ・カステルッチ(ソチエタス・ラファエロ・サンツィオ) (2009年3月11日 にしすがも創造舎)

リミニ・プロトコル『カール・マルクス:資本論、第一巻』

フェスティバル/トーキョー09春 『カール・マルクス:資本論、第一巻』 コンセプト・演出:ヘルガルド・ハウグ&ダニエル・ヴェツェル(リミニ・プロトコル) (2009年2月28日 にしすがも創造舎)

イ・ユンテク演出『オセロー』

フェスティバル/トーキョー09春 『オセロー』 演出:李潤澤 作曲・音楽監督:元一 企画原案:宮城聰 原作:ウィリアム・シェイクスピア 謡曲台本:平川祐弘 間狂言翻訳:小田島雄志 台本韓訳:木村典子 (2009年2月28日 東京芸術劇場中ホール)

騎馬スペクタクル ジンガロ『バトゥータ』

騎馬スペクタクル ジンガロ『バトゥータ』 作・演出:バルタバス 演奏:ファンファーレ・シュカール/タラフ・ドゥ・トランシルバニア (2009年1月27日 木場公園内ジンガロ特設シアター[東京都現代美術館となり]) 鬼才・バルタバス率いる騎馬劇団が2005年(『ル…

冨士山アネットpresents『不憫』

芸術文化振興基金助成事業 冨士山アネットpresents『不憫』 作・演出・振付:長谷川寧 振付・出演: 山本伸一(BQMAP)/石川正義/大石丈太郎/石本華江(妄人文明/Co.山田うん)/石山優太(APE)/上ノ空はなび(toRmansion)/大西玲子/草光純太 /玉置玲央…

小野寺修二 カンパニーデラシネラ『ある女の家』

小野寺修二 カンパニーデラシネラ『ある女の家』 作・演出:小野寺修二 出演:浅野和之/河内大和/藤田桃子/小野寺修二 (2008年12月19日 シアタートラム)

勅使川原三郎 身体実験劇場『ない男』

勅使川原三郎 身体実験劇場『ない男』 原作:ロベルト・ムジール「特性のない男」(加藤二郎・訳) テキスト:宇野邦一 演出・振付・美術・照明・選曲・衣裳:勅使川原三郎 出演:勅使川原三郎/佐東利穂子/川村美恵/ジイフ/井手悠哉/林誠太郎/ナナ&ナイル (2008…

CAVA『罠』

CAVA(さば)『罠』 作・演出:丸山和彰 出演:黒田高秋/藤代博之/細身慎之介(劇団上田)/田中優希子/丸山和彰 (2008年11月26日 神楽坂die pratze) マイムとダンスの融合した新感覚の舞台『空白に落ちた男』(演出・振付:小野寺修二)に出演、異彩を放っていた…

シアターアイスショー『眠れる森の美女』

シアターアイスショー『眠れる森の美女』 出演:The Imperial Ice Stars(インペリアル・アイス・スターズ) (2008年11月15日 東京厚生年金会館) フィギュアスケートのグランプリシリーズが行われ氷の上で熱戦が繰り広げられている。そんななかシングルやペア…

財団法人せたがや文化財団『友達』

平成20年度文化庁芸術拠点形成事業 財団法人せたがや文化財団『友達』 作:安部公房 演出:岡田利規 出演:小林十市/麿赤兒/若松武史/木野花/今井朋彦/剱持たまき/加藤啓/ともさと衣/柄本時生/呉キリコ/塩田倫/泉陽二/麻生絵里子/有山尚宏 ポスト…

維新派『呼吸機械』

大阪を拠点に野外劇を上演し続けている劇団維新派。今回は滋賀県長浜市の琵琶湖畔に設えられた水上舞台での公演だ。北陸本線・田村駅から少し歩くと仮設の劇場が見えてくる。すぐ側には維新派野外公演では恒例の屋台村。タイ風炊き込みご飯や熱々の豚汁など…

チェルフィッチュ『エンジョイ』

岡田利規(チェルフィッチュ)が新作『エンジョイ』を新国立劇場で発表した。 新宿の漫画喫茶(マンキツ)を舞台に、30歳を越えた年長フリーター達を中心に、現代日本ですでに可視化されつつある格差社会の“下流”を生きる彼らの、バイトや恋愛に対する態度が…