チェルフィチュ公演をめぐっての緊急シンポジウム

現在、ラフォーレミュージアム原宿にて上演されてる(19日まで)チェルフィッチュ公演『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』を話題の出発点に、気鋭のライターたちが現代のアートと社会をめぐって語り合うというシンポジウムに足を運んだ。
夜更けの開催であり、終電までのコアタイム中心にしか聴けなかったが、なかなか刺激的なイベント。まず、各パネラーが非正規雇用の若者たちを描いた同作を観て感じること・思うことを述べた。絶賛派もいれば否定派というか同作に不満・疑念を持つパネラーも。チェルフィチュ/岡田利規の演劇論・身体論をあらためて解きほぐしつつ、岡田が、どのように社会と向き合っているのかとの議論等がなされた。パネラーのひとり黒瀬陽平が主に関わっている「破滅ラウンジ」や宮下公園における「NIKEパーク化問題」に関するアート活動といったいま渋谷・原宿で行われているイベント・パフォーマンスとの共時性・同時代性も語られた。収集のつかない・堂々巡りな展開に感じられた場面もなくはなかったが、アート、表現活動の現在を知るうえで示唆に富むものだった。
シンポジウムでは、2〜3月に上演された『わたしたちは無傷な別人であるのか?』と『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』の関連性や相違も語られた(創作順では逆になる)。『わたしたちは無傷な別人であるのか?』は、練り上げられて『わたしたちは無傷な別人である』と題し愛知トリエンナーレにて世界初演されるようだ。その前後には『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』や『三月の5日間』の海外ツアーも予定されている。チェルフィッチュが世界規模でパフォーミングアーツ界の話題を振りまいているその理由とは何か?もっと語られ、分析されていいことであろう。

緊急シンポジウム!現代の表現と社会との関係を考える(その1)〜『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』公演の最中に〜
ただいまラフォーレ原宿で開催中のチェルフィッチュ公演『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』を観た、世代もジャンルも様々な批評家・ライターを交えて、演劇に限らず現代の表現と社会の関係を探る緊急公開シンポジウムを開催します。
ぜひお立ち会い下さい。

●パネラー
磯部涼(風俗ライター)
鴻英良(演劇批評家・ロシア芸術思想)
九龍ジョー(ライター/編集者)
黒瀬陽平(美術家/美術批評家)
五所純子(文筆家)
桜井圭介(音楽家/ダンス批評家/吾妻橋ダンスクロッシング主宰)
杉田俊介(ケア労働者、批評家)

●開催日:5/14(金)22:00〜
コアタイムは終電までを予定しますが、議論の流れ次第でその後も続きます)

●会場:VACANT
●参加料:1000円+1ドリンクオーダー
※当日券のみ(定員100名、先着順)