木佐貫邦子×平山素子「古楽とストラヴィンスキー」

新国立劇場2008/2009シーズン2008/2009 Season Contemporary Dance
ダンステアトロンNo.16「古楽ストラヴィンスキー

『キャラバン』
振付:木佐貫邦子
春の祭典
振付・出演:平山素子/柳本雅寛
ピアノ演奏:土田英介/篠田昌伸
(2008年11月15日 新国立劇場中劇場)

木佐貫邦子と平山素子。共通項はいくつかある。まずともに現代舞踊畑の出身であること、そして木佐貫桜美林大、平山が筑波大で教職に就いていることが挙げられる。木佐貫は80年代に、平山は90年代に本格デビューしているが90年代以降のコンテンポラリー・ダンスのブームの高まりのなか現代舞踊系出身でありながら上手く時代に適応する創作を発表し今日のポジションを築いているのは見逃せない。卓越した才能と努力の賜物であろうが、時代を読む確かな目とセルフプロデュース力も兼ね備えていたからであろう。コンテンポラリー・ダンスならOK、現代舞踊ならダメ――レッテルひとつで場合によってはアーティストの作品評価や舞踊人生が大きくかわってしまうこともなくはない現代日本のダンスシーンにおいて後進のモダン/コンテのダンサーは彼女たちの歩んだ道から受ける示唆は大きなものがあるのではと感じさせられる。