「Tokyo Dance Market 2009」PROGRAM A

東京芸術見本市2009参加公演・芸術文化振興基金助成事業
「Tokyo Dance Market 2009」PROGRAM A
企画・制作:アンクリエイティブ
●千日前青空ダンス倶楽部『水の底』(抜粋)
●東京ELECTROCK STAIRS『Wピースに雪が降る』(ショートバージョン)
ナチュラルダンステアトル『ザビエル☆ザビエーラ』
(2009年3月5日 恵比寿エコー劇場

ダンス制作の老舗アンクリエイティブ企画制作による東京芸術見本市参加ショーケース。千日前青空ダンス倶楽部は土方巽直系北方舞踏派創立メンバー紅玉こと大阪のNPO法人DANCE BOXの代表・プロデューサーの大谷燠が結成した。舞踏手は女性のみである。『水の底』は2006年10月大阪での初演を観た。水底に関するイメージを連ねた耽美世界と舞踏手たちの内面から立ち上がる肉体の存在感が拮抗する傑作。今回は抜粋ながら終幕、女たちが椅子に腰かけ手鏡を見ながら化粧する場など印象的な景は残されており、魅力の一端は垣間みられたと思う。コンテンポラリー・ダンス界の寵児KENTARO!!率いる東京ELECTROCK STAIRSは昨年末初演した作品の短縮版を上演。ヒップホップ軸にストリート系の動きが中心なのは前回同様だが、今回は、より意識して増やしたようだ。KENTARO!!は自身は当然として酒井幸菜らのメンバーたちにも精一杯ちゃんと踊らせようとしているのは清々しい。気合が入っている。上手い下手以前にダンスってそうじゃなきゃ。シーケンスごとの創り込みは感じられるけれども構成に核がほしいとか、テイストが一様に「青春してます!」みたくベタであるとか気になる点もあるけれども、今後も独自の路線を貫いてほしい。ナチュラルダンステアトル作品は“異国の浪漫と日本人の因習が絢を為し、学問、宗教、ジャーナリズム、西洋からもたらされた文化が〈日本人の水〉で屈折する謎と光のプリズム”を描き出した。狂騒的な群舞場面と川野眞子の抑えの利いた磁力あるソロが対照的で印象に残る。