JCDN「踊りにいくぜ!!vol.7」in大阪



JCDN,Odori ni Ikuze!!voil7 in Osaka

「踊りにいくぜ!!vol.7」in大阪を観た。5組が出演したが、なかなか興味深いラインナップ。

この日一番の収穫が玉内集子。ソロ作品『背中のつぼみ胸が咲いた』は即興ベースのようだが、両腕をはじめとした上半身の使い方が個性的。動線が広がっていくさまが特徴的で目を奪われた。ちょっと山田せつ子を思わせるものがある(褒め言葉)。終演後、さる信頼できる方とお話した際にも、その点で見解が一致した。現舞系出身なのにどこからそういう動きがでてきたのだろうか。

松本芽紅見・森川弘和の共作共演『椅子のある部屋』はスマート。舞台には椅子が二脚。それを起点に二人の細やかなやり取りが豊富な動きで紡ぎだされる。ひとつひとつの動きを丁寧に生み出す姿勢には好印象。同じく関西の男女ペア・じゃれみさにも通じると思う。実際の創作にあたってはディディエ・テロンの影響を受けているようだ。

ko&Edge Co.『DEAD1+』室伏鴻の構成・振付だが狙いがよくわからない。土方の衰弱体を現代に蘇えらせる試みなのだろうか。まさか土方を知らない世代への舞踏入門ということもあるまいし。終盤、舞踏家にとっては使うのはタブーであるはすの(でも皆こぞって使う)アノ曲を用いた真意もはかりかねる。若い3人の踊り手は皆一本立ちできる位成長したと思う。特に鈴木ユキオの精緻な身体コントロールと強固な存在感に圧倒された。

女性三人組のピンクをちゃんと観るのは初めて。黒沢美香の門下だ。『子羊たちの夕焼けボート』ほとんど即興とか。彼女たちも出演している『ダンス☆ショー』のときのようにもっともっと身体をスウィングして欲しいと欲求不満に駆られた。バレー部かなんかの部活のキャラを演じているようだが、それにノレないひともいるだろう。終盤、井上陽水の「リバーサイドホテル」が流れ出してから持ち直した印象。酒井幸菜『Noon』に関しては茅ヶ崎公演の感想で触れたが力のある人。ただ、導入から展開へと観客をひきつける「何か」を掴むのに時間はかかるかもしれない。

(2006年11月23日 大阪・Art theater dB)