705Moving Co. 1st Recital 「705 Carnival 2008」

705Moving Co. 1st Recital 「705 Carnival 2008」  
振付・構成・演出:菊地尚子
出演:坂本眞司/塙琴/横洲良平/久住亜里沙/池川恭平/菅原さちゑ/大口律子/飯塚友浩/池田美佳/緒方祐香/市橋万理/平田友子/西村葵/藤田マミ/鈴木清貴/金沢恵美/大沢真澄/丸山仁志/菊地尚子
『CELL』
『ポエティックな箱庭』
『シンフォトロニカ・フィジクロニクル』
(2008年10月28日 北沢タウンホール)

ニューヨークで研鑽を積み帰国した菊地尚子の主宰する705Moving Co. 初の自主公演。『CELL』は映像(飯名尚人)と三次元の動きがシンクロして惹きつけられる。菊地のソロパートも上体をひねらせた独特の振り等個性的でおもしろい。ただ10のシーンで構成されるが後半は映像との絡みが減って漠たるイメージの羅列に終始した感も。『シンフォトロニカ・フィジクロニクル』はラヴェルの名曲「ボレロ」を用いたもの。意想外の動きが楽しい。腰をかがめ両手を腰のうしろで重ね動かしつつ歩く振りや菊地扮する指揮者がダンサーたちに持ち上げられ運ばれていく場など個性的。何よりもフィジカルなおもしろさを前面に押し出しているのが特徴だろう。ダンサーでは菊地のほか池田美佳、久住亜里沙が印象に残る。ことに池田は恵まれた肢体、抜群の身体能力と美貌を兼ね備え、切れのよいダンスが持ち味だ。なによりも華があるのがいい。