「コレオグラファーズYダンスコンサート」

第1回「コレオグラファーズYダンスコンサート」
主催:ダンスカフェ/株式会社シービーシーメソッド
板垣あすか『やさしい森』
垣内友香里(Benny Moss)『One<ある>』
立花あさみ『Kuu-空 sene2』
畦地真奈加『色は匂へど 散りぬるを』
ワダミユキ『湖中の円庭』

(2008年12月5日 ムーブ町屋)

モダン/コンテの若手に上演の機会を提供する「コレオグラファーズYダンスコンサート」。日暮里サニーホール/ムーブ町屋の指定管理者・株式会社シービーシーメソッドと安田敬のダンスカフェが手を組んだ企画である。劇場専属スタッフ等のサポートがしっかりしているのが特徴であり、下町・荒川区から新たなダンスの風を起こそうとしているようだ。プロデューサー主義によるセレクトであり、若手のステップの場として有益だろう。板垣あすかはキューバ人のナルシソ・メディナらに学んだ人。オブジェや衣装にも工夫を凝らして大き目の空間でのソロに挑んでいた。垣内友香里は無差別殺人事件をモチーフに演劇的手法も取り入れつつ個に潜在する狂気や暴力を怜悧に見据える。立花あさみはギターソロとのセッションで抑えたダンスを披露。畦地真奈加は妹の亜弥加とともに諧謔性のあるデュオを発表した。ワダミユキはしなやかな手の動きなどで手堅く美しいダンスをつくり上げている。技術がもう一歩備われば、あるいは、演出がしっかりしていたりすればさらに良くなるのでは…と思う作品も多かったけれども奇を衒うことなくしっかり身体と向き合っている個人・グループばかりであり好印象を持った。