高襟『罪と果実』

高襟 怒涛の一週間スタジオパフォーマンス
第2回公演『罪と果実』

構成・振付:深見章代 
出演: 吉川英里/深谷莉沙/深見章代
スタッフ:高襟(林由紀子/青山るり子)
(2008年12月8日 Dance Studio UNO)

高襟(ハイカラ)は女性のみによるカンパニーであり、女性の生理感覚や妄想を衒いもなく表出する作品を発表している。主宰者の深見の趣味が前面に押し出され、ときに露悪的に映る印象もないではなかった。2度目の単独公演は初のスタジオパフォーマンス。美術大学に学びモデル等もしている深谷の出演が多少の変化をもたらした。人形のような愛らしさと大人びた色っぽい魅力が同居している。これまでの深見作品では、深見の私的感覚を「女性性」として拡張しすぎる嫌いがあった。ここではロリータっぽいベタなものとはいえ、深谷の少女性が核となっている。深谷が自身の足に噛み付くシーン(生肉をイメージしたようだ)や聞こえるか聞こえないかわからないような歌を口ずさむ場など印象に残る。深見や吉川も笑い声を上げたり騒ぐ場において針の振り切れたパフォーマンスを行った。総じて表現としてはやや生っぽく勢い勝負ではあるものの女の園のディープな一面をしつこく濃密に表出してはいる。