ボリショイ・バレエ『明るい小川』

ボリショイ・バレエ『明るい小川』(2幕4場)
音楽:ドミトリー・ショスタコーヴィチ
台本:アドリアン・ピオトロフスキー/フョードル・ロプホーフ
振付:アレクセイ・ラトマンスキー
指揮:パーヴェル・クリニチェフ
管弦楽:ボリショイ劇場管弦楽団
ジーナ (ピョートルの妻):エカテリーナ・クリサノワ
ピョートル (農業技師):アンドレイ・メルクーリエフ
バレリーナ:マリーヤ・アレクサンドロワ
バレエ・ダンサー (バレリーナのパートナー):セルゲイ・フィーリン
(2008年12月9日 東京文化会館)

1930年代に初演されたまぼろしの作品をラトマンスキーが新たに振付直した。舞台は旧ソ連時代のコルホーズ。農業技師である夫の浮気を妻が旧友のバレリーナ(収穫祭のためモスクワから来訪)らとともに一計を案じてやり込める。ドタバタ劇で笑える要素が満載。1幕のディヴェルティスマンでは層の厚いキャラクターダンスが楽しめる。2幕ではトウ・シューズでロマンチック・チュチュ姿に女装した男性の踊りや逆に男性に化けたバレリーナの力強い踊りもあって会場は爆笑の渦に。牧歌的でどうということのない物語ながらも明るくエネルギッシュ。演奏もノリがよくボリショイならではの活気にみちた舞台だった。アレクサンドロワ、クリサノワ、メルクーリエフというスター・注目株が競演するなか、なによりもインパクトがあったのが大ベテラン、フィーリン!美丈夫で偉丈夫の彼が女装して華麗なるポワントワークをみせる!!コミカルにデフォルメされた演技は絶品。一生忘れることがないといってもいいくらい強烈な印象を残した。