クラウド・ゲイト・ダンスシアター『WHITE ホワイト』

Bunkamura20周年記念特別企画
クラウド・ゲイト・ダンスシアター『WHITE ホワイト』
芸術監督・振付:リン・フアイミン
出演:クラウド・ゲイト・ダンスシアター
(2009年3月4日 Bunkamuraオーチャードホール)

台湾のクラウド・ゲイト・ダンスシアター(雲門舞集)は1973年の創設。創設者であり芸術監督のリン・フアイミン(林懐民)はモダンやバレエをベースに太極拳なども取り入れた作舞、東洋の伝統や生命観を打ち出した作風を特徴とする。伝統美と現代的な洗練の融合は欧米で絶賛され、アジアでもっとも著名なコンテンポラリー・ダンス・カンパニーのひとつとなった。初来日は2004年と遅かったが『水月』『行草』を上演。2007年にも来日して『行草弐』『狂草』を披露している。今回の『WHITE』は白という色をテーマに3部からなる一晩物で、ここでもフアイミン一流の研ぎ澄まされた美の世界が展開される。いわゆるオペラハウスでの上演に耐えうる現代舞踊であるが、同じアジアでも日本のモダン-コンテンポラリーでは勅使川原三郎や大島早紀子の登場を待つまでそれに値するカンパニーは出てこなかった。一足早くそれを実現しワールドツアーを打つプロカンパニーとなったのが天児牛大率いる舞踏の山海塾である。奇しくもクラウド・ゲイト・ダンスシアターと入れ変わりに山海塾が初期の代表作『金柑少年』を上演する。アジアの生んだ世界的舞踊集団の舞台を続けて味わえる、なんとも贅沢な舞踊週間だ。