輝く未来『○○○なんか、クソくらえだ!』

日本芸術文化振興会 舞台芸術振興事業
輝く未来『○○○なんか、クソくらえだ!』
振付:輝く未来
出演:伊東歌織、伊藤キム井上大輔、塩野入一代、新宅一平、平良麻由子、美木マサオ、三輪亜希子、山下彩子
(2009年3月14日夜 吉祥寺シアター)

輝く未来2年目の修了となる本公演。プログラムによると、過去の試演会をもとにメンバーの意見を参照しながら伊藤キムが構成、部分的に振付を行ったという。ストーリーやテーマはなく、タイトルも内容とは関係ないようだ。コンセプト重視や計算づくのステロタイプなコンテンポラリーとは距離を置きたいのだろう。ダンサーの動きと身体から滲み出る個性で勝負する誤魔化しのない舞台。日々の稽古や創作過程で生まれたパートを連ねたものなのか当初やや脈絡ない印象もないではなかったけれども若い真摯な踊り手の身を削るようなパフォーマンスに惹きつけられる。最後、伊藤キムと伊東歌織の、互いに決して交わることはないけれどもその距離感にさまざまの感興をもよおされるデュオで余韻十分に締めくくった。若いダンサーが失敗を怖れず大胆に挑戦できる場として伊藤キムが立ち上げた新生・輝く未来。今後の動向にも注目していきたい。