佐多達枝・合唱舞踊劇『ヨハネ受難曲』を観る前に

佐多達枝演出・振付による合唱舞踊劇『ヨハネ受難曲』がまもなく上演されます。

合唱舞踊劇『ヨハネ受難曲
日時:2009年7月4日(土)18:00、5日(日)14:00
会場:すみだトリフォニー 大ホール(JR 錦糸町駅
演出・振付:佐多達枝
指揮・アルト:青木洋也
ダンサー:石井竜一/斉藤隆子/島田衣子/関口淳子/武石光嗣ほか
歌手:畑儀文/浦野智行/藤崎美笛/鈴木准
合唱・コロス:オルフ祝祭合唱団
チケット:全席指定 S席:\10,000 (完売) A席:\8,000 B席:\6,000 C席:\4,000

公演への期待は先日当blogに書きました(6/23日付記事)。
http://d.hatena.ne.jp/dance300/20090623/p1
佐多は御年77歳。“日本バレエ界の宝”(舞踊評論家・吉田裕)と評され『父への手紙』『庭園』等代表作多数。各種褒章、顕彰も多数受けていますが、日本が世界に誇るべきアーティストだとは残念ながらそれほど認知されていません。発想力、動きの創意、音楽性、演出力いずれとっても高次元にあり、あくまで私見ですが、世界のベスト10は確実、見方によってはベスト5に入る振付家だと確信しています。その佐多が敬愛するというバッハの大曲・難曲に挑む舞台ですから見逃すわけにはいきません。
合唱×管弦楽×舞踊による合唱舞踊劇は、厳密にいえば佐多にとって個人リサイタルとは違って依頼を受けての外部の仕事。楽曲ありきですし、プロの舞踊家ではない合唱隊も踊ります。振付も個人リサイタルの際ほど先鋭的ではない印象。しかし、オルフの『カルミナ・ブラーナ』等の秀作を生んできました。半世紀にわたって活動する佐多はかって「ストーリーテラー」と評された時期もあったようですが、その後現在に至るまで、抽象性に傾いた創作を多く手がけています。しかし、『ヨハネ受難曲』は、イエスの受難という物語があり、ドラマティックな展開が予想されます。初めて佐多の作品に接する人や佐多作品は難解と及び腰になっている方も楽しめるのではないでしょうか。
旧作・合唱舞踊劇『ルードヴィヒ〜交響曲第9番〜』のダイジェスト映像が出ているのでお知らせしておきます。あと、主催のO.F.Cのサイトに河内連太による台本のあらすじが掲載されています。鑑賞前に一読すると、より理解が深まると思います。
O.F.C. 合唱舞踊劇 ルードヴィヒ 〜交響曲第9番〜ダイジェスト版

台本あらすじ(PDF)
http://homepage2.nifty.com/ofc/documents/2009/johannespassion_story.pdf
台本あらすじ(blog掲載)
http://blog.livedoor.jp/choraldancetheatre/