「STUDIO VOICE」誌休刊とダンスメディアの現在

サブカルチャー誌の草分け的存在である「STUDIO VOICE」誌(INFASパブリケーションズ)が9月号(8月6日発売)をもって休刊となることに決まったようです。
映画や音楽についてのエッジな情報が多く、気鋭ライターによるレビュー・紹介記事等もあって、現代文化を語る際に欠かせないメディアのひとつであったのは間違いないでしょう。演劇やダンスに関しての紹介記事も載っており、コンテンポラリー・ダンスや小劇場演劇関係者とっては重要なパブリシティの場であったのでは。
Webニュースによると「部数の低迷や広告減などから(休刊を)判断した」とのこと。最盛期には約10万部を発行していたそうですが、最近は3〜4万部と低迷していたそうです。部数減に関しては、サブカル情報をwebによって即時に得られる時代になったことも影響しているのでしょうか。広告減に関しては、不況のなか雑誌業界最大の悩み。先日、女性誌マリ・クレール」の休刊もニュースになりましたがどこも厳しいようです。
ダンスのメディアでは最大手・新書館が「ダンスマガジン」、姉妹誌「クララ」、その別冊「クロワゼ」を出しています。他にはファッション誌的センスを放っている「DDD」が成功しています。文園社の出している「バレリーナへの道」も年4回発行ですが堅実に続いています。フリーマガジン「DANZA」はプロモーターや劇場、舞踊団から多くの広告を取って軌道にのっている様子。業界紙では「週間オン・ステージ新聞」があります。他にも部数は少なくともメディアがいくつかあり、商業臭を排するなど各々ポリシーをもって編集・発行されています。ネットメディアを立ち上げようとする動きもありますが、資金面と人的労働力が確保できないことから続かないようですね(ダンス用品のチャコット全面支援による「DANCE CUBE」は別)。限られたパイしかありませんが少しでも書く場が増えていってほしい。私は書いたことありませんが、「STUDIO VOICE」誌はダンス系のライターにとっても貴重なスペースだったため、休刊はとても残念に思います。