新国立劇場 2010/2011シーズンラインアップ

新国立劇場 2010/2011シーズンラインアップが1月15日付で発表されました。
2010/2011シーズンラインアップ:バレエ
http://www.nntt.jac.go.jp/cgi-bin/cms/kouen_list02.cgi#season2
2010/2011シーズンラインアップ:コンテンポラリーダンス
http://www.nntt.jac.go.jp/cgi-bin/cms/kouen_list03.cgi#season2
バレエに関しては一部先行して演目が発表されていました。ビントレー、アシュトン、マクミランという英国の香り漂うラインアップ。そちらはバレエ・フリークの間でさまざまに話題になるでしょう。ここで触れておきたいのがコンテンポラリーダンス部門です。「ストラヴィンスキー・イブニング」(平山素子「兵士の物語」「春の祭典」)、井手茂太イデビアン・クルー、バレエ団と現代舞踊のコラボレーション「DANCE to the Future 2011」のほかオープニングに「DANCE PLATFORM 2010」という新企画が予定されています。
これは、それまでの「DANCE EXHIBITION」「舞姫と牧神達の午後」に続く若手アーティストを起用する場であり、C/Ompany 大植真太郎・柳本雅寛・平原慎太郎、菊池尚子、松崎えり、高瀬譜希子、大岩淑子、原田みのる、池田美佳、山口華子の作品を上演予定。“新たなアーティストの発掘を目指す新企画がスタート”という触れ込みであり、いずれも新国立劇場に初めて作品を発表するアーティストが並びます。最初期には現代舞踊の大家や中堅が作品発表、その後、勅使川原三郎伊藤キム、山崎広太、内田香、平山素子らの登場を経て、さらに新たな世代の登場です。20代半ばから30代半ばくらいまでの若手が揃う。バレエやコンテンポラリー系と目されるアーティストもいますが、モダン=コンテンポラリーという文脈で注目される人が多く出ているのも特徴。
“若いアーティスト達には流行を追うのではなく、しっかりと身体と向き合い作品創りをすることが求められます。次のステップへと繋げるために「先ずこのプラットフォームに立つ」機会を与え、新たなアーティストの発掘を目指します”という企画意図が反映された印象です。個々に対しては触れませんが、なるほど、しっかりとした技量を持ったうえで才気あふれる創作を打ち出しつつある人たちを選んだ感。ただ、創作歴をみれば、まだ数作品、しかも6〜7分くらいのものや15分程度の長さのものを数本創ったといだけという人も少なくありません。従来からすれば異例の大抜擢。未知数な部分もなくはないでしょうが、逆にいえば、大きく伸びる可能性のある人を選んだということでしょう。
コンテンポラリー・ダンスといってもさまざまなライン・文脈があり(ことにわが国では)、そもそもコンテンポラリーという定義や境界自体揺れています。ビッグネームやコンテンポラリー・ダンス界のマーケットでブレイクした若手の起用とは違ったラインを打ち出しているのは明白。変化を出すには思い切った改変が必要なのかもしれません。話題性に流れない独自の方向性を探ろうとしているのは確かでしょう。