各地で盛ん、コンテンポラリー・ダンスの新たな波

2月に入ると東京での公演数が激増するが、同時に各地でコンテンポラリー・ダンスのイベントが立て続けに行われていることはもっと知られてもいいだろう。
横浜では、新人の登竜門的存在である「横浜ダンスコレクションEX2012」が開かれている(2012年1月28日〜2月19日 横浜赤レンガ倉庫1号館)。コンペティション部門だけでなく受賞者公演、海外フェスとの交流プログラムやショーケースも組まれる。海外のダンスフェスティバル等の関係者も多数来場することで知られよう。重要イベントだ。

福岡では「福岡ダンスフリンジフェスティバルvol.5」(2月4〜5日 大博多ホール)が催される。アジア、全国、福岡からの22作品が上演される。韓国を初めアジアとの交流の輪が着実に広がっているようだ。
神戸ではKOBE-Asia Contemporary Dance Festival #2 (2月17〜25日 Art Theater dB神戸)。関西をはじめとしたわが国のアーティストとアジアの気鋭たちが作品を発表したり展示を行ったりする。プログラムディレクターは気鋭の制作者・横堀ふみ。地域に根差した活動と先鋭的なダンス/パフォーマンスを積極的に取り上げる同劇場であるが、このフェスティバルはアジアを見据えた取り組みである。
横浜はコンペがメインとはいうものの関連のプログラムなどの充実もあって、一大フェスティバルといった趣がある。福岡、神戸はフェスティバル形式を取る。コンペからフェスティバルへとコンテンポラリー・ダンス界の動向が変化しているのは明らかだ(かなり前に乗越たかお氏は指摘している)。そういったフェスティバルの熱気が新たな波を起こし、コンテンポラリー・ダンスを活性化させていくことが期待される。
他の地域の動きも活発。
新潟ではりゅーとぴあ 市民芸術文化会館 のレジデンシャル・ダンスカンパニーNoismが成功をおさめている。今月は研修生カンパニーNoism2春の定期公演が行われる(2月17〜19日 新潟市民芸術文化会館 スタジオB)。Noismがモデルケースとなって各地に同様のプロフェッショナルなカンパニーが生まれることが望まれる。
京都はコンテンポラリー・ダンスの全国組織JCDNの拠点とであり、「踊りに行くぜ!!」や音楽や映像とのコラボレーション企画、国際共同制作プログラム等を国内外で展開している。また、京都では、ダンサーたちによる出会いの場「wedance京都2012」(2月3〜4日 元・立誠小学校)が行われる。プログラムディレクターはきたまり。勉強会的な色彩が強いが新たな創造に結びつくことを願いたい。


コンテンポラリー・ダンス徹底ガイド HYPER

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ダンスは国家と踊る―フランス コンテンポラリー・ダンスの系譜

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Corpus―身体表現批評〈no.2〉特集 コンテンポラリーダンス再考

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