第32回ニムラ舞踊賞に小島章司

長野県・諏訪市が主催する舞踊賞がニムラ舞踊賞である。同市出身でニューヨークを中心に欧米各地で活躍した舞踊家・新村英一(ニムラエイイチ)の名を冠した賞の第32回目の受賞者にフラメンコ舞踊家小島章司に決まった。

【授賞理由】
2011年12月の《小島章司フラメンコ舞踊団2011》東京凱旋公演において、スペイン開催のフェスティバル・デ・ヘレスに招かれて上演した『ラ・セレスティーナ〜三人のパブロ〜』を再演し、自ら魔女セレスティーナ役を演じて日本人ならではの深みのある舞踊表現のすばらしさを示した。また《東日本大震災復興支援チャリティー・ガラ:SHOJI KOJIMA FLAMENCO 2011》における『レクイエム』では、踊りによる敬虔な祈りの姿を見せ観客の深い共感を呼んだ。フラメンコ舞踊における優れた技量、数々の創作の成果、国際交流に果した役割の大きさを評価し、第32回ニムラ舞踊賞を贈る。

http://www.city.suwa.lg.jp/www/info/detail.jsp?id=1885
文化 : 小島さんに「ニムラ舞踊賞」 諏訪市で8月27日授賞式(長野日報)
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=25369
独自の選択によって実力派の舞踊家振付家らに光を当ててきた賞である。2003年に紫綬褒章そして2009年には文化功労者に選ばれ他にもあらゆる舞踊賞を受けてきた大家・小島が受賞したのは少々意外に思われるかもしれない。しかし、小島は昨年大作『ラ・セレスティーナ〜三人のパブロ〜』をスペインでの上演を経て凱旋上演したほか東日本大震災復興支援チャリティー公演を行った。同賞受賞の報を受けたのもスペイン・バルセロナのフラメンコフェスティバルに招待され単身海を渡っていた時期であったようだ。押しもされぬ大家でありながら、ますますエネルギッシュに国際的な活躍をみせている。国際進出のパイオニア・新村英一の名を冠した賞に、まことふさわしいといえるだろう。納得の受賞である。今後とも小島の意気盛んな活動を期待したい。



フラメンコへの招待 (パフォーミングアーツ・ブックス)

フラメンコへの招待 (パフォーミングアーツ・ブックス)