あいちトリエンナーレ2013・パフォーミングアーツ概要発表

今夏から秋にかけて国際芸術祭・あいちトリエンナーレ2013/Aichi triennale 2013が行われる 。
2010年に続く第二回目となる今回は“「揺れる大地—われわれはどこに立っているのか:場所、記憶、そして復活」をテーマに掲げ、東日本大震災後のアートを意識しつつ、世界各地で起きている社会の変動と共振しながら、国内外の先端的な現代美術、ダンスや演劇などのパフォーミングアーツ、オペラを紹介”する。
会期は2013年8月10日(土)〜10月27日(日)の79日間。会場は愛知芸術文化センター名古屋市美術館名古屋市内のまちなか(長者町会場、納屋橋会場など)、岡崎市内のまちなか(地区は未定)。芸術監督は五十嵐太郎(東北大学大学院工学研究科教授・都市・建築学)。
前回、パフォーミングアーツ部門では、ローザスアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルヤン・ファーブル平田オリザ、平山素子、ニブロールチェルフィッチュらによる領域横断的な意欲作を取り上げ成功を収めた(愛知発の芸術批評誌「REAR」第25号に依頼されパフォーミングアーツ部門の見た範囲での総評を記した)。今回のラインナップも気になるところだが、22日、おおよその全貌が明らかになった。

企画概要(平成25年3月22日現在)(PDF/5.75MB)
http://aichitriennale.jp/press/item/250322kikaku.pdf
参加アーティスト(平成25年3月22日現在)(PDF/1.99MB)
http://aichitriennale.jp/press/item/250322kikaku.pdf
リリースによると、国内外から15程度の団体が参加し、愛知芸術文化センターを中心に上演される。ダンス、演劇、造形美術、建築等の垣根を越えた作品を重んじるようだ。テーマである「揺れる大地—われわれはどこに立っているのか:場所、記憶、そして復活」は、不条理劇で知られるサミュエル・ベケットの世界感と通じるということで、「われわれが立っている場所を見つめ直す」ということをコンセプトに展開していくという。
舞台公演等スケジュール

愛知芸術文化センター大ホール公演
プロデュースオペラ・プッチーニ作曲『蝶々夫人 9月14日(土)、16日(月・祝)

愛知芸術文化センター小ホール公演
ままごと『日本の大人』(仮称・新作) 8月10日(土)〜15日(木)
藤本隆行白井剛『Node/砂漠の老人』(新作) 8月23日(金)〜25日(日)
やなぎみわ『ゼロ・アワー 東京ローズ最後のテープ』(仮称・新作) 8月30日(金)〜9月1日(日)
梅田宏明『4.temporal pattern』(日本初演)ほか 9月6日(金)〜8日(日)
イリ・キリアン『East shadow』(仮称・新作) 9月13日(土)〜15日(月・祝)
清水靖晃『未定』 9月28日(土)予定
ARICA+金氏徹平『しあわせな日々』(予定) 10月12日(土)〜14日(月・祝)
ジェコ・シオンポ『Room Exit(Terima Kost)』(日本初演) 10月18日(金)〜20日(日)
(日本初演)マチルド・モニエ『Pudique Acide/Eatasis(restaging)』10月26日(土)〜27日(日)

愛知県美術館ギャラリーG展示
ペーター・ヴェルツ+ウィリアム・フォーサイス『whenever on on on nohow on | airdrawing』(映像インスタレーション)(日本初演)

まちなか公演スケジュール

長者町会場周辺
ほうほう堂『ほうほう堂@あいちトリエンナーレ201』(仮称・新作) 9月21日(土)〜22日(日)

オアシス21周辺
プロジェクトFUKUSHIMA!(総合ディレクション:大友良英)『プロジェクトFUKUSHIMA! in AICHI』(仮称・新作) 9月7日(土)〜8日(日)

岡崎地区 康生地区
向井山朋子+ジャン・カルマン『FALLING』(仮称・新作) 公演日未定

最大の話題は世界的振付家イリ・キリアンに委嘱した『East shadow』(仮称・新作)だろう。“ベケットの哲学から着想されたダンスパフォーマンス。生と死をテーマに、シリアスかつユーモラスな物語が繰り広げられ”るという。
海外公演が圧倒的に多い振付家・ダンサーの梅田宏明も注目される。国内での本格的な単独公演は前回の「あいちトリエンナーレ2010」以来ではないか。アジアへの目線も感じられる。インドネシアの伝統舞踊やヒップホップを独自に織り交ぜた作風で知られるジェコ・シオンポを招聘。「ダンストリエンナーレトーキョー2012」でも紹介されたが今回はカンパニーの単独公演を行う。演劇では愛知出身で「ままごと」を主宰する柴幸男の新作がある。多年代の観客層に訴える作品を生んできたのも起用のポイントか。
美術家で近年、演劇活動も行うやなぎみわ『ゼロ・アワー 東京ローズ最後のテープ』、藤本隆行白井剛が内外でツアーを重ねたマルチメディア作品『true/本当のこと』に続いて組んだ『Node/砂漠の老人』、キリアン新作に作曲・ピアノで参加する向井山朋子が照明家ジャン・カルマンと共同作業を行う『FALLING』なども。まちなか公演やギャラリー展示など前回好評を博した企画を受け継いでの展開が楽しみだ。
前回のトリエンナーレ以後、名古屋/愛知では「パフォーミングアーツ熱」が高まっていると知人の地元在住関係者は口々に語る。地元団体参加による「祝祭ウィーク事業」も含め盛り上がりをみせている。前回の成功を受けてのさらる取組みに期待したい。
パフォーミングーアーツのチケット発売は6月下旬予定。
なお、パフォーミングアーツの担当者は以下の通り。プロデューサー:小崎哲哉[統括]、前田圭蔵、藤井明子(愛知芸術文化センター)、唐津絵理(愛知芸術文化センター)、愛知県国際芸術祭推進室:阿部晃久



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