ボリショイ・バレエ『ドン・キホーテ』

ボリショイ・バレエドン・キホーテ』(全3幕)
振付 : マリウス・プティパ/アレクサンドル・ゴールスキー
振付改訂 : アレクセイ・ファジェーチェフ
指揮 : パーヴェル・クリニチェフ
管弦楽ボリショイ劇場管弦楽団

キトリ/ドゥルシネア : マリーヤ・アレクサンドロワ
バジル (床屋) : ドミートリー・ベロゴロフツェフ
エスパーダ (闘牛士) : アンドレイ・メルクーリエフ
ルチア (街の踊り子) : アナスタシア・メシコーワ
メルセデス (踊り子) : マリーヤ・イスプラトフスカヤ
(2008年12月3日 東京文化会館)

アレクサンドロワは強靭なテクニックの持ち主。2003年の世界バレエフェスティバル・ガラ公演の余興で踊った『海賊』アリ(!)のヴァリエーションを観て以来気になる存在である。バレリーナが軽々と数ある古典の男性ヴァリエーションのなかでももっとも派手で男性らしい踊りをいとも軽々と踊ってみせたことに戦慄すら覚えた。当時はまだプリンシパルではなくルンキナの代役だったが、2004年にはラトマンスキー版『明るい小川』のバレリーナ役で「黄金のマスク賞」を獲得しボリショイを代表するプリマとしての地位を確立している。今回もはつらつとしていて生命力を感じさせるパフォーマンス。シングルだけれども高速でぶれないフェッテでは興奮が最高潮に達した。