新国立劇場「ニューイヤーオペラパレスガラ」

新国立劇場オペラ・バレエ
「ニューイヤーオペラパレスガラ」
第1部(バレエ)
ドン・キホーテ」より第3幕
キトリ:寺島ひろみ
バジル:山本隆之
第1ヴァリエーション:川村真樹
第2ヴァリエーション:厚木三杏
第2部(オペラ)
ヴェルディナブッコ』より 序曲
ヴェルディイル・トロヴァトーレ』より「静かな夜」
ヴェルディオテロ』より
「喜びの炎よ」
「すでに夜も更けた」
「無慈悲な神の命ずるままに」
レオンカヴァッロ『道化師』より「衣裳をつけろ」
マスカーニ『カヴァレリア・ルスティカーナ』より間奏曲
プッチーニ『トスカ』より
「妙なる調和」
「テ・デウム」
「歌に生き、恋に生き」
「星は光りぬ」
セレーナ・ファルノッキア(ソプラノ)
木下美穂子(ソプラノ)
ジュゼッペ・ジャコミーニ(テノール
市原多朗(テノール
直野 資(バリトン
新国立劇場合唱団
指揮:渡邊一正(バレエ)/菊池彦典(オペラ)
演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団
(2009年1月5日 新国立劇場オペラ劇場)

ドン・キホーテ』のグラン・パ・ド・ドゥは寺島ひろみ&山本隆之が踊った。2日目は本島美和&芳賀望が予定されている。昨年は新鋭・小野絢子の主役デビューが大きな話題になったが、小野よりも上の世代に当る寺島、本島は着実に古典の主演を重ねてきた。酒井はなに次ぐ劇場の顔として期待されているのが今回のキャスティングからも感じられる。詳細な配役表の配布も掲示もなかったがヴァリエーションを踊った2人はすぐにわかった。ベテランの厚木はパを卒なくこなすだけでなくしっかり自分の解釈をもって微細なニュアンスを表現できる踊り手。この劇場で以前踊った『ドン・キホーテ』のタイトル・ロールに深く感動した覚えがある。テクニックの誇示に終わることなく音楽的な解釈を持った奥行きある踊り。この日もその実力を十分に披露してくれたように思う。第2部のオペラはイタリアオペラの名曲集。『オテロ』と『トスカ』が軸だった。アンコールの最後にはフィギュアスケート荒川静香の演技とともに人口に膾炙した「誰も寝てはならぬ」(プッチーニトゥーランドット』より)が歌われ会場は盛り上がりを見せていた。