レニングラード国立バレエ『ライモンダ』

レニングラード国立バレエ『ライモンダ』(全3幕4場)
音楽:A.グラズノフ
振付:M.プティパ/K.セルゲーエフ/F.ロプホフ
ライモンダ:イリーナ・ペレン
騎士ジャン・ド・ブリエンヌ:アルチョム・プハチョフ
アブデラクマン:ウラジーミル・ツァル
指揮:ミハイル・パブージン レニングラード国立歌劇場管弦楽団
(2009年1月29日 Bunkamuraオーチャードホール)

プティパ最後の傑作と称される『ライモンダ』は第三幕のみ上演されることが多いが、近年ではロシア以外でも多くの団体が全幕上演している。アンナ=マリ・ホームズ版によるアメリカン・バレエ・シアターキエフ・バレエによる来日上演は記憶に新しい。昨年末にはパリ・オペラ座バレエが本拠地ガルニエでヌレエフ版を上演しており、日本からのファンも多く駆けつけたようだ。国内団体では、昨秋はかって全幕日本初演を果たした牧阿佐美バレヱ団が11年ぶりに再演、2004年に初演された新国立劇場バレエ団の牧阿佐美版は来月早くも再々演を迎える(他に全幕をレパートリーにしているのは名古屋の松岡伶子バレエ団)。グラズノフの珠玉の音楽と突き詰められたダンスの美に接するたびプティパ美学のなんたるかを肌で感じられる。レニングラード国立バレエのバージョンは1幕からとにかくダンスが豊富。ことに第2幕、アブデラクマンの手下たちによるキャラクターダンスは荒々しくもエネルギッシュで多くの喝采を浴びていた。