1〜3月の公演を振り返って

3年前からレアな公演についてや折々気になったことをたまにアップする感じで展開してきたが、半年ほど前から観劇した公演のデータの大方を随時アップしてみた。備忘録を兼ねるとともに媒体に記事を書かせていただくこともある人間としてジャンルの分け隔てなく鑑賞していることを知ってもらえればという思いもあった。所期の目的は達せられたと思うので一旦ペースを落ち着けることにする(期間限定再開予定あり)。
さて、1〜3月はシーズンだけに豊作だった。来日ものではジョン・ノイマイヤーハンブルク・バレエ『人魚姫』『椿姫』に尽きる。今年のハイライトとなった感すらある。官能的、ダイナミズム溢れるダンスと多層的なイメージが融合したカンパニー マリー・シュイナール『オルフェウス&エウリディケ』も忘れ難い。国内ものでは、“白の世界”をテーマに2時間を飽きさせないユニット・キミホvol.2『White Fields』、ギエムを招き、若手の台頭も目覚しく上演水準も高かった東京バレエ団ベジャール・ガラ」、話題のニジンスカ『レ・ビッシュ(牝鹿)』をはじめ質バランスともまとまりのいいNBAバレエ団「BALLETS RUSSES GALA」、鈴木ユキオ×辺見康孝、yummydance作品など粒揃いのJCDN「踊りにいくぜ!!Vol.9 SPECIAL IN TOKYO」。アーティストの多角的な魅力を知らしめたthe Ground-breaking 2009/Red Brick Contemporary Dance File・梅田宏明 新作公演も記念碑的な舞台だった。ダンサーについてもいろいろ好演があったがここで挙げるのは控えておく。
1〜3月の間に結構な数の公演を観たが、それでも主なものだけでも見落としはある。他を優先したり諸般の事情からパスしたものがいくつかある。洋舞(死語?)の批評家は個人の嗜好に関係なく多くの公演を観て書いたり、発言するのが望ましい。が、ジャンル分けが細分化され領分もあり、またスケジュール的に厳しいのも事実。何を観るか、その時点で批評家としてのスタンスやカラーが問われるということなのだろう。