第35回橘秋子賞決定

昨年度の公演や活動に対する顕彰の結果が発表され授賞式も行なわれつつあります。まだ主な賞すべての選考結果が発表されていませんが(後日まとめて掲載予定)、各賞の受賞者をみると金森穣/Noism(朝日舞台芸術賞:舞踊賞&舞踊批評家協会賞)、平山素子(芸術選奨文部科学大臣新人賞&江口隆哉賞)、花柳基(芸術選奨文部科学大臣賞&舞踊批評家協会賞)が2冠を獲得しているのが目立ちます。

回を重ねてきた賞や新設の賞も増えてきていますがバレエ界において長い歴史を誇り権威ある顕彰が橘秋子賞(主催:財団法人 橘秋子記念財団)です。日本バレエのパイオニアの名を冠したこの賞の受賞者リストを眺めると、日本バレエ界の一大山脈をみる思いにとらわれます。このたび第35回目の結果が公表されました。

第35回橘秋子賞
特別賞:篠原聖
優秀賞:島添亮子
功労賞:横井茂
舞台クリエイティブ賞:該当者なし
スワン新人賞:さいとう美帆

篠原は日本を代表するダンスールノーブルとして活躍後、積極的に振付を手がけています。代表作に『クリスタル』『ロミオとジュリエット』など。昨年12月個人リサイタルを開催『カルメン』等を振付た成果や各地での作品発表の積み重ねが評価されたのでしょう。優秀賞の島添は小林紀子バレエ・シアターのプリマで日本バレエ協会公演でも主演を務めるなど注目される存在。今後も主演舞台が続くでしょう。功労賞の横井は1950年代から創作バレエの第一人者として活躍、シェイクスピアもので一世を風靡しました。昨年は舞踊生活60周年記念公演を行い新作『トロイの木馬』等を発表して話題に。「エリアナ・パブロワを偲んで」と題された企画公演の芸術監督も務めています。スワン新人賞のさいとうは新国立劇場の中堅ソリストとして活躍、昨年末の『シンデレラ』では、ゲストのレジニナの降板を受けての急遽代役をふくめ連日タイトルロールを務めました。今シーズンは『白鳥の湖』への主演が決まっています。