「ダンストリエンナーレ トーキョー 2009」記者発表

今年9月末から10月上旬にかけて3週間にわたり東京・青山を中心に世界の先鋭的振付家・ダンサーが集う「ダンストリエンナーレ トーキョー 2009」が行われます。2002年にビエンナーレとして始められたダンスフェスティバルも4回目。今回はイスラエル、オランダ、カナダ・ケベック、韓国、スイス、ドイツ、トルコ、日本、フィンランド、フランス、ベルギーの11カ国から18のアーティスト/カンパニーが参加します。
今回はこれまで以上に多彩なプログラムを用意、青山の街をダンス一色で染めあげようという意欲が感じられます。青山劇場、青山円形劇場、スパイラルホールなどでのダンス公演、ダンス・ワークショップのほか、青山通り沿いスパイラルビル1階での無料ダンスショウケース、アート系映画館のシアターイメージフォーラムにおけるダンスフィルム上映、青山ブックセンター本店で行われるトークイベントなど盛りだくさん。
この度行われた記者発表では、まず映像も使用しての公演ラインナップ紹介が行われ、参加予定アーティストの森下真樹、フランク・ミケレッティ、黒田育世中村恩恵がフェスティバル参加への抱負を語りました。公演に関する具体的な紹介では、本フェスティバルのアドバイザリー・コミッティを務め、海外のダンスフェスティバル取材も多い作家・舞踊評論家の乗越たかおのコメントが印象的でした。現在、東欧・北欧がダンスの鉱脈であり、今回参加するフィンランドのエーヴァ・ムイル、イスラエルのヤスミン・ゴデール等ダンスの盛んな国々でも新世代のスターが登場して活況を呈しているとのこと。来日予定のスイスやトルコといった国々からのアーティストにも期待できるそうです。フェスティバルディレクターの高谷静治は「TRIAL×4」という中堅・若手の実力派によるプログラムについてコメント。出演者のうち3人が日本人、1人が韓国人ですが、日本人勢に関しては青山劇場・青山円形劇場から育ち、海外でのキャリアも重ねてきた中堅を育てていきたいという願いがあるようです。新人の発掘も大切ですが、アーティストを簡単に消費してはいけません。実力者のキャリアを伸ばす場を意図しているようです。
ダンスフィルム、トーク、ショウケース、ワークショップに関しても各担当者の紹介を聞く限り、充実した内容に思われました。規模と内容の充実度からすれば、ピナ・バウシュローザス、ダニエル・ラリューらを招聘した伝説的な「ヨコハマ・アート・ウェーブ」(1989年)、アンジュラン・プレルジョカージュ、マギー・マラン、フィリップ・ドゥクフレらを招き質量ともに成果十分だった「フランス・ダンス・03」(2003年)に続く一大ダンスフェスティバルとしてわが国のダンス史に名を残すことになるかもしれません。そしてなによりも「ダンストリエンナーレ トーキョー 2009」は新世代の先鋭的なアーティストを招聘、世界の同時代のダンスシーンと共振するフェスティバルとして画期的なものとなる可能性が高い。また、ダンスの魅力を多角的に伝えるイベントとしても期待したいところです。
(2009年6月24日 こどもの城 本館 11階会議室)

平成21年度文化庁国際芸術交流支援事業
「ダンストリエンナーレ トーキョー 2009 -限りなき瞬間- infinite moments」
会期:2009年9月18日(金)〜10月8日(木)
会場:青山劇場、青山円形劇場、スパイラルホール、シアターイメージフォーラム青山ブックセンター本店
主催:財団法人 児童育成協会(こどもの城)/株式会社ワコールアートセンター
共催:株式会社ダゲレオ出版/青山ブックセンター株式会社
助成:EU・ジャパンフェスト日本委員会