岩田守弘に芸術選奨文部科学大臣賞

文化庁は12日、2009年度の芸術選奨の受賞者を発表しました。舞踊部門の芸術選奨文部科学大臣賞にロシア国立ボリショイ・バレエ団第一ソリストとして活躍する岩田守弘を選出(同賞同時受賞は花柳寿美、同新人賞受賞は山村若有子)。
http://www.bunka.go.jp/geijutsu_bunka/souzoukatsudou/sensho/21_geijutsu_sensho.html
以下、受賞理由を文化庁HPより引用します。

幼少の頃よりバレエに親しんだ岩田守弘氏は,優れた身体能力と鋭い技巧により世界屈指のロシア国立ボリショイ・バレエ団第一ソリストとして活躍。「白鳥の湖」の道化や「明るい小川」のアコーディオン奏者に加え,「バレエ・アステラス☆2009」(新国立劇場 8月)では「サタネラ」パ・ド・ドゥを個性豊かに演じて印象深い。たゆまぬ努力と真摯な姿勢は創作への道を切り開き,ファルーフ・ルジマトフのために振り付けた「阿修羅」(ゆうぽうとホール 7月)で,その才能を開花させた。

岩田は、ボリショイ・バレエの来日公演においても名ソリストとして鳴らし、日本のバレエ・フリークの間でも支持を受けていましたが、先年、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」で取り上げられ、バレエ・ファン以外にも広く認知される存在に。日本人でありながら初めてロシアの超名門バレエ団の重責を担うポジションに登り詰めた背景には、選評にあるように、惜しみない努力と真摯な態度があったはず。近年は振付家としても活躍。その軌跡が簡にして要を得た構成と文章で語られているのが下記の一冊。


ボリショイ・バレエ―その伝統と日本人ソリスト岩田守弘 (ユーラシア・ブックレット)

ボリショイ・バレエ―その伝統と日本人ソリスト岩田守弘 (ユーラシア・ブックレット)



岩田は現在来日中のグルジア国立バレエ(芸術監督:ニーナ・アナニアシヴィリ)の『ロミオとジュリエット』にマキューシオ役で出演しています。今夏には日本で踊る舞台をいくつか予定。また、毎日新聞で連載された「時代を駆ける」という取材記事によると、5月にはモスクワでロシア在住20年を記念した公演を予定しているようです。ロシア人ダンサーのほか、若き日からの盟友的存在である小嶋直也、久保紘一らを招くとか。振付家としての活動の場も広がりつつあり、さらなる活躍を期待したいところです。

岩田守弘オフィシャルブログ
http://ibashika.exblog.jp/