英国ロイヤル・バレエ来日公演『リーズの結婚』

今年のバレエ界の重要イベントのひとつ英国ロイヤル・バレエ来日公演が始まった。
『リーズの結婚』は、ロベルタ・マルケスとスティーヴン・マックレー主演で観る。
リーズ役のマルケスは、小柄なのは気になるかもしれないが、難しいクロスやオフ・バランスを駆使したアシュトン振付を難なくこなし、エポールマンの生む豊かな詩情も見事だった。ブラジル人のプリマだが、我らが吉田都同様に異国のプリマが機知に富んだ英国/ロイヤル・スタイルを鮮やかに体現しているというのが、なんとも面白い。
最年少プリンシパル(のはず)のマックレーは、回転や跳躍が切れに切れ、若々しく好感の持てるコーラスを演じた。ただ、やや貴公子然とした感じはあって、もう少し野性味が欲しい気もしたが、あくまでも個人的な印象に過ぎない。総じてブラボーな出来。
シモーヌ(裕福な農家の未亡人)のフィリップ・モーズリー、トーマス(金持ちのぶどう園主)のギャリー・エイヴィス、アラン(その息子)のルドヴィック・オンディヴィエラら脇のキャラクター・ダンサーも出色で、舞台を盛り上げていた。