「横浜ダンスコレクションEX2011」開催中

1996 年に若手振付家育成とコンテンポラリー・ダンスの普及を目指してはじまった「横浜ダンスコレクション」。2005 年には、アジア発のダンスマーケットの起点を打ち出し「横浜ダンスコレクション R」 として改編した。そして、今年から海外招聘公演やシンポジウムなどを充実させ、次世代新人振付家を対象とした賞を新設する。「横浜ダンスコレクションEX」としての新展開が期待される(会場:横浜赤レンガ倉庫1号館)。
2月5日(土)、6日(日)には「受賞者公演」が行われ、田畑真希『TOWER』、宝栄美希『Catch』、ロサム・プルデンシャド・ジュニア(フィリピン)『Breaking Hue』が上演される。田畑は日常の淡々とした情景を描くように見せつつそのなかに沈殿するドラマを繊細にすくいあげる。「いま・ここ」のリアルな感触を確かな手ごたえをもって伝える人で、派手さはないが、いい意味でのマイナー・ポエット的な良さがある。宝栄に関しては、一言でいってしまえば、才能の塊。関節柔らかく可動域の大きなダンス、そしてパッと見のかわいさのなかに潜む凶暴ともいえる毒は大変に魅力的だ。国際的ダンスフェスティバルMASDANZA13でベストダンサー賞を獲得したのも頷ける。まだ未知数な面もあるが才能とオーラある踊り手なのは間違いない(今回はグループワーク)。
8日からはコンペティションが行われる。作品部門と新人振付家部門に分かれ、後者は25歳以下の若手振付家が登場する。作品部門にしてもみな若い人たちばかりで、完全に世代交代した感がある。昨年までは、国内参加者は皆まあそれなりに名を知られていたりはする人だったのだが、今回の参加者の作品の大多数をみている評論家/ジャーナリストやプロデューサーがいるかどうか…。それくらいの文字通りの新人・若手振付家が揃う。彼らの発掘・育成の場となりそうで動向が注目される。
他にもシンポジウム等のイベントがあるが、気鋭のパフォーマンスを無料で観られるショーケースや「舞台芸術を記録し続けた飯島篤、その半世紀のかけら〜飯島篤が出逢ったフォトグラファーと共に綴る舞台写真展」も。詳しくは「ダンコレブログ」にて。
Yokohama Dance Collection R 2009 video 田畑真希TABATA Maki 1/3

Miki Hoei "Line" Part 1

ヨコハマ・アートナビ 2010・10インタビュー「宝栄美希さん」
http://www.yaf.or.jp/magazine/2010/10/post-24.php