新国立劇場2012/2013シーズンラインアップ発表

新国立劇場が2012/2013シーズンラインナップを発表した。

バレエ
http://www.nntt.jac.go.jp/cgi-bin/cms/kouen_list02.cgi#season2
ダンス
http://www.nntt.jac.go.jp/cgi-bin/cms/kouen_list03.cgi#season2

バレエは芸術監督ビントレー色が強い。旧作『シルヴィア』を新制作。ビントレーのお膝元バーミンガム・ロイヤル・バレエから佐久間奈緒とツァオ・チーが客演。大震災の直後のため休止となった中劇場でのミックス・プロ「ダイナミック・ダンス!」が仕切り直して行われる。「ペンギン・カフェ(仮)」では、ビントレーの代表作『ペンギン・カフェ』とバランシンの『シンフォニー・イン・C』、ビントレーの近作『E=mc2』が上演される。『ジゼル』は久々の再演。あとは『ドン・キホーテ』と隔年上演の『シンデレラ』。
地域招聘公演は、神戸の貞松・浜田バレエ団。2013年1月に満を持して登場する。『くるみ割り人形』とイリ・キリアンの『6 DANCES』、オハッド・ナハリンの『DANCE』、森優貴の新作によるトリプル・ビルを上演する。森作品としては、先日、文化庁芸術祭大賞に輝いて話題になった大作『冬の旅』が観たいという向きもあるだろうが…。
ダンス部門が充実している。人気者の森山開次両界曼荼羅図に想を得て創作する『曼荼羅の宇宙』に始まり、DANCE PLATFORM 2012として、キミホ・ハルバート新作、ダムタイプの高谷史郎の『明るい部屋』をそれぞれ単独で上演。「DANCE to the Future 2013」として、新国立劇場バレエ団のダンサーたちが金森穣振付『Academic』、中村恩恵振付『The Well-Tempered』を踊る。「平山素子による音楽3部作公演(仮題)」では、平山がラベル、ドビュッシー、サティの三人の作曲家に挑み、印象主義音楽による三部作を発表するようだ。
個人的に注目したいのは金森の『Academic』。2009年初演の『ZONE〜陽炎 稲妻 水の月』の第一部に当たる。コンテンポラリーとはいえ、バレエがきっちり踊れるというか体の軸が鍛えられていないダンサーには踊れない。動きの精度が落ちる。難しい作品に思う。この3月に同パートを練り直した『solo for 2』をNoismが「NHKバレエの饗宴2012」で発表するのとあわせて、新国立のダンサーがどう踊るのか楽しみ。
高谷史郎/ダムタイプの登場も興味深い。ダムタイプが2000年に『メモランダム』で新国立に招聘されたときは演劇部門であったのが懐かしく思い出される。当時はようやくダンス部門に勅使川原三郎が登場した時期。ダンス部門で上演すべきというような声もあったと思うが、当時そんなことは許されるような状況ではなかっただろう。時代の変化を感じる。高谷の『明るい部屋』は昨年、びわ湖ホールで上演された作品(未見)。ダンスだけでなくアート関連のさまざまなファン層が注目するはず。その意味でも、高谷/ダムタイプがダンス部門で取り上げられることは意義があるかも。


アラジン (バレエ名作物語vol.5) (バレエ名作物語vol.5)

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