平成24年度芸術文化振興基金 助成対象活動決定

独立行政法人日本芸術文化振興会による平成24年芸術文化振興基金助成対象活動が決定、29日資料が公表された。
平成24年芸術文化振興基金助成対象活動が決定しました!
http://www.ntj.jac.go.jp/assets/files/kikin/joho/h24/24_josei.pdf
合計金額は2年連続で減少。現代舞台芸術創造普及活動の舞踊に関しても2年連続減っている。大手バレエ団等の公演の採択が多い文化芸術振興費補助金(トップレベルの舞台芸術創造事業)の24年度採択に関しては29日時点でまだ未公表。昨年度のように芸術文化振興基金との併願は認められていないため応募団体は切実だろう。
採択リストからは一年先までに予定される公演ラインアップが見えてくる。
バレエではDANCE for Life 2012 下村由理恵バレエ・リサイタルが昨年に続いて開かれる。隔年開催のペースだったが、昨年の『ジゼル』全幕に続く公演となり士気が高そうだ。関西では有馬龍子バレエ団、佐々木美智子バレエ団に加え、近年ではK★バレエスタジオと地主薫バレエ団が常連になりつつある。名古屋の中堅ではテアトル・ド・バレエ カンパニーと川口節子バレエ団が地歩を固めている印象。
舞踏では笠井叡×麿赤児『天の岩戸』というパンクな大御所の共演が控える。ローザスで活躍する池田扶美代[In Piece]日本バージョン 横浜/大分公演が非常に楽しみ。黒田育世2年ぶりの長編新作となるBATIK新作公演「おたる鳥をよぶ準備」にも注目。コンテンポラリー・ダンス界の押しも押されぬ実力者・黒沢美香は黒沢美香&ダンサーズ公演と「薔薇の人」それぞれ別プロジェクトで採択され貫録を見せつけた。
珍しいキノコ舞踊団イデビアン・クルー、マドモアゼル・シネマ、ニブロール山田うん、まことクラヴ、金魚(鈴木ユキオ)らも定着している。若手の平原慎太郎の瞬projectが少額とはいえ2本採択されているのも目を惹く。若手ということでは笠井瑞丈×上村なおかも食い込んできた。2010年度のトヨタコレオグラフィーアワードの覇者・古家優里率いるプロジェクト大山は初採択。創作だけでなくキャリア展開も卒がないようだ。
モダン系と目されるなかでは、ケイ・タケイ、加藤みや子、江原朋子というポストモダンの洗礼も受けつつ独自のダンスを練り上げ先端を歩む実力者が評価されている。フラメンコでは気鋭・入交恒子が入ってきた。2年連続で文化庁芸術祭優秀賞を獲得するなど高評価を得ているConcierto Flamencoシリーズ3年ぶりの舞台が楽しみだ。
多分野共同等芸術創造活動でも舞踊関連が採択されている。北村明子の「アジア国際共同制作企画2 "To Belong -dialogue"(仮)」やアーキタンツの「スタジオパフォーマンス シリーズ」、アンサンブル・ゾネ、合唱舞踊劇O.F.C.など。地域文化施設公演・展示活動:文化会館公演活動では、恒例の東京シティ・バレエ団 / ティアラ “くるみ”の会「第27回くるみ割り人形」のほか武蔵野シティバレエ 第27回定期公演、岡山県新見市における牧阿佐美バレヱ団「ジゼル」などが採択されている。