「日本のバレエは高水準」佐々木涼子氏の記事
舞踊評論家で東京女子大教授(フランス文学)の佐々木涼子さんが産経新聞に「日本のバレエは高水準」と題された記事を寄稿している。
舞踊評論家・東京女子大教授 佐々木涼子 日本のバレエは高水準
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/120327/ent12032708590007-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/120327/ent12032708590007-n2.htm
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/120327/ent12032708590007-n3.htm
今年2月、高校2年生の菅井円加がローザンヌ国際バレエコンクールで第1位優勝を果たしたニュースは各メディアで大きく取り上げられ、バレエへの関心が高まった。そんな中、日本のバレエが国際的見地から観て、どのような水準にあるのか、日本のバレエがどう発展し、どこへ向かっていくのかを考察している。“現在の日本のバレエはとても高い水準にある。そして将来の展望はさらに輝かしい、と。”“教育面など、いまだ十分に制度が整っていないと憂える声もあるが、少なくとも今の日本では、才能のある者の前に、細くとも確実なキャリアへの道が開かれている”と佐々木さんは指摘する。
佐々木さんは幼時からバレエと日本舞踊を修めフランス文学を専攻。プルースト研究で名高い。「朝日新聞」「ダンスマガジン」などに寄稿しバレエに関する著作多数。文化庁の各種委員を歴任し朝日舞台芸術賞(現在は休止)の選考委員も務めた。日本の舞踊評論の第一人者のひとりと目される。今回の寄稿記事は若き日にバレエを学び、後年比較文化論からバレエを考察してきた論客の面目躍如たるものがある。
日本人ダンサーの技術水準は高く表現力も向上しているのは事実であろう。日本人が踊るバレエの魅力の考察も興味深い。“日本人が踊るバレエはとても清楚(せいそ)で折り目正しく、強靱(きょうじん)であっても柔和で繊細だ。また抑制された表現には心地良い静けさがあり、何より清潔な空気感は他では見られないものだ。”日刊紙にこういった論考が掲載されたのは意義深く思う。国立のバレエ学校がなくプロフェッショナルに活動できる場も乏しいという現状を変えるのは並大抵ではないが、少しでもバレエのこと、ダンスのことが広く社会に知られることは変革への第一歩である。
バレエの歴史―フランス・バレエ史-宮廷バレエから20世紀まで
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