タウンニュース 麻生区版に小山久美(スターダンサーズ・バレエ団代表・総監督、昭和音楽大学短期大学部教授)

神奈川県全域・東京都町田市の地域情報紙「タウンニュース」の川崎市麻生区版に財団法人スターダンサーズ・バレエ団代表・総監督を務め、昭和音楽大学短期大学部教授の任にある小山久美へのインタビュー記事が掲載されている。
スターダンサーズ・バレエ団の代表を務める小山 久美さん
http://www.townnews.co.jp/0205/2012/03/30/140162.html
スターダンサーズ・バレエ団は、このたび「アルテリッカしんゆり2012」のオープニング公演を任され鈴木稔振付『シンデレラ』を上演する(4月27、28日 テアトロ ジーリオ ショウワ)。小山は叔母である故・太刀川瑠璃子から団を引き継ぎ9年。インタビュー記事では初めてプロデュースした舞台『シンデレラ』について語っている。「敷居が高いと言われるバレエを、幅広い層に楽しんでもらいたいと選んだ題材。芸術をもっと身近にというアルテリッカのコンセプトとも通じる作品をぜひ多くの人に味わってもらいたい」。
鈴木稔版『シンデレラ』は、プロコフィエフ曲を用いオーソドックスな展開は守りつつ、現代的な意匠や緻密な伏線を織り交ぜ、ファンタスティックなドラマとしてセンスよくまとめている。シンデレラの父は忙しいビジネスマンという設定であり、シンデレラの小さな友達としてピーターラビットばりの着ぐるみを着たりもするキャラクターを配する点などに工夫がある。二村周作による幻想性と重厚さを兼ね備えた舞台美術も効果的である。
そして、作品の面白さもさることながら上演展開が水際立っており近来まれなヒット作となった。2008年に初演し翌年に早くも再演。その後、神奈川県民ホール日生劇場(「ファミリーフェスティバル」)に買取られた。2011年春には吉田都をタイトル・ロールに迎えて上演。先日「NHKバレエの饗宴2012」を催し大反響を呼んだNHKプロモーションによる主催公演も行われた。他にも文化庁の委託事業として小中学生を対象に各地で抜粋版が巡演された。新書館からは公演を収録したDVDが発売されている。
小山は中長期的な戦略を持った運営方針を展開する。吉田都をゲストに招き安定した動員を図りつつ団員の創作やバランシン、フォーサイスらによる珠玉の名作を腰を据えて上演している。オーケストラとの協同作業にも積極的で外部の仕事も着実に獲得し団員に舞台を踏ませる機会を増やしている。厳しいご時勢のなか活発に活動する意欲が目につく。昭和音楽大学短期大学部教授、東京バレエ協議会常務理事の地位にあり、公益社団法人日本バレエ協会「全日本バレエコンクール」の審査員も務める。
「タウンニュース」の記事によると、創成期を経て発展を続けるバレエ界に身を置くうち、自らの使命を考えるようになったという。太刀川から受け継いだバトンを未来に繋げ、子どもたちへのアプローチをライフワークにしているようだ。各地でワークショップを催しバレエの普及に力を注いでいる。「子どもたちには未来に続く大きな可能性を感じている。いつか花咲くことを信じて、今はこつこつと種まきに専念したい」。
このところバレエ界では代表・芸術監督クラスの世代交代がみられる。広く社会を、舞踊界を見渡して活動する新時代のリーダーとして小山に寄せられる期待は大きい。


スターダンサーズ・バレエ団「シンデレラ」(全2幕) [DVD]

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