志賀育恵が帰国

東京シティ・バレエ団のプリマ、志賀育恵さんが1年間の文化庁在外派遣研修(豪/オーストラリア・バレエ団)を終え帰国された。
私はもともと志賀さんの舞台を一観客として毎回楽しみに観ていた。その後、縁あって舞踊批評を書く機会に恵まれ、志賀さん主演舞台の評を度々書かせていただくことができた。しなやかな踊りで理想的なラインを描くことの出来る志賀さんは“踊る喜び”を誰よりもいきいきと伝えてくれる。彼女の踊りをみただけで落ち込んでいるときでも元気になれる。批評活動を始めたばかりの私にとってブレイクする時期の彼女の舞台をバレエ誌や専門紙に大きく書かせていただけたことは何物にも代え難い喜びだった。
志賀さんはこの1年の間にオーストラリアで100数回の舞台を踏んだらしい。古典からバランシンまで多くの作品に出演されたようだ。その経験が今後のステージにどう生かされるのか楽しみでならない。普段から歌舞伎を鑑賞するなど熱心に勉強を重ね、よりよい表現を探求する志賀さんのこと。よりスケールを増し、幅の広い表現をみせてくれることは想像に難くない。志賀さんの帰国後本格的な舞台の初となるのは10月に行われる東京シティ・バレエ団×東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団「オーケストラwithバレエ」の「動物たちのカーニバル」。
志賀さんの新たな出発を楽しみにしたい。