新国立劇場バレエ団2008/2009シーズンの契約/登録ダンサー

新国立劇場バレエ団2008/2009シーズンの契約/登録ダンサーが発表された。
http://www.nntt.jac.go.jp/nntb/artist_se.html
従来は契約、登録ともにソリスト、コリフェ、コール・ド・バレエに分かれていたが、ソリスト以上の階級が細分化された。シーズン契約ダンサーでは、プリンシパル、ファースト・ソリストソリスト、コール・ド・バレエ、準コール・ド・バレエ、シーズン登録ダンサーでは、オノラブル・ダンサー(名誉ダンサー)、ソリスト、コール・ド・バレエと分かれる。
熊川哲也のKバレエカンパニーでは細かな階級性を敷いているのは周知のとおりであるし、東京バレエ団でもプリンシパルソリスト、コール・ド・バレエと大まかではあるが分かれてる。それに比べ新国立では、主役を頻繁にこなす人でもそうでない人でもソリストなので、違いを明確化すべきという指摘があったため改善したのだろうか。それとも芸術監督が代わったためイギリス式になったのだろうか。いずれにせよ階級化によってダンサーたちのあいだで一層の切磋琢磨を期待できるかもしれない。
プリンシパルが山本隆之ひとり、ファースト・ソリストが川村真樹、寺島ひろみ、マイレン・トレウバエフのみとは意外。今後シーズンごと変動するのだろうか。パリオペラ座やKバレエのようにシーズン半ばで昇進とかはあるのだろうか。登録ダンサーのうち、オノラブル・ダンサー(名誉ダンサー)は、酒井はな、小嶋直也、逸見智彦、森田健太郎と主役をたびたび踊って新国立劇場バレエの歴史を築いてきたベテランが揃う。
コール・ド・バレエからソリストに昇進したのは高木裕次、丸尾孝子。丸尾は古典のほかコンテ(ナチョ・ドゥアト作品で抜群のセンスをみせていた)でも群を抜いており昇進は当然といえる。新加入では今年の春まで東京バレエ団ソリストとして活躍していた古川和則が契約ソリストになった。元Kバレエカンパニーの芳賀望は登録ソリストに。
新国立に限らないが日本の多くのカンパニーには優れたダンサーがたくさん居るわけだから、多くの人が納得のいくキャリアを歩めるような環境づくりは大切。昇進や配役に関しては、しがらみに縛られない積極的な攻めの姿勢と同時にカンパニーの和を保ち適材適所に多様な個性を活かせるようバランス感覚を持って当ってほしいものだ。