NBAバレエ団「Ballets Russes Gala」

平成20年度文化芸術振興費補助金(芸術創造活動重点支援事業)
NBAバレエ団「Ballets Russes Gala」
芸術総監督:安達哲
指揮:榊原徹 演奏:東京劇場管弦楽団
●『ショピニアーナ』
●『レ・ビッシュ(牝鹿)』
●『ポロヴェッツ人の踊り』

(2009年2月21日 ゆうぽうとホール)

バレエ・リュス誕生100年を記念、内外では様々の公演やイベントが行われている。ロシア・バレエの知られざる名作の復元等を行い成果をあげるNBAバレエ団がブロニスラワ・ニジンスカ振付『レ・ビッシュ(牝鹿)』を日本初演することは随分前から話題を集めてきた。ベルエポック期のパリのサロンを舞台とした一幕物。ニジンスカの振付はクラシックの動きを崩したものが多く、当時かなり斬新なものと受け止められたと想像される。現在の視点からみても音楽性、パの組みあわせは興味深い。プーランク音楽、マリー・ローランサンの美術・衣装という強力なスタッフを得ての協同作業は、バレエというものが現代芸術、総合芸術として認知されはじめた時期の幸福な果実といえる。バレエ・リュス作品も中期、後期の作品となると失われたか、滅多に上演されない。バレエ・リュスやその流れを汲む振付家による作品にもバランシン『放蕩息子』、D・リシーン『卒業記念舞踏会』のような古きよき時代の秀作やニジンスカの『結婚』等現在からみても斬新と評される創作も多々ある。そういった作品を鑑賞できる機会が増えてほしい。