ベルギーとのバレエ国際交流

いきなりの話題になりますが、ベルギーのダンスといえば、アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルヤン・ファーブル、ヴィム・ヴァンデケイビュス、アラン・プラテル、ヤン・ロワースといったコンテンポラリーダンスの旗手たちが群雄割拠しているという印象が強くなりがち。とはいえ、ベルギーの芸術交流に関してバレエ方面の動向にも目をむけてみると日本とベルギーのバレエ界、意外と縁の深いものです。
かってはブリュッセルのモネ劇場を拠点にモーリス・ベジャールが20世紀バレエ団を率いて来日を繰返して熱狂を呼び、日本人や日系のダンサーも所属していました。1970年代の後半になると王立フランドル・バレエ団、ロイヤル・フランダース・バレエ団や王立ワロニーバレエ団で踊るダンサーも出てきます。ゆうきみほ、宮本東代子、岸辺光代といったバレリーナがそれにあたります。その後も現在に至るまで日本人ダンサーが数多く活動してきました。研修先に選んで訪れるダンサーも後を絶ちません。
この5月、日本とベルギーのバレエ界で交流が行われます。ひとつは松崎すみ子の主宰するバレエ団ピッコロが長年相互交流を重ねるジョシ・ニコラ・バレエスクールと合同公演を行います。5月の2、3日にベルギーで公演が行われるとのことです。国際親善として有意義なものとなるでしょう。さらに先に挙げた岸辺光代の子女キミホ・ハルバートアントワープのバレエ学校に『VISION OF ENERGY』を提供します。ベルギー生まれの英国人であり日本でダンサー/振付家として活躍するキミホはかって同校で学びました。いわば里帰り。キミホの創作は「日本の」という形容抜きに観るものの心に響くものがあります。活動の場が広がっていく足掛かりになればと期待したいところです。