今年は「ラ・フィユ・マル・ガルデ」の当たり年

バレエ関係者との会話の際話題にのぼったのですが、今年は「ラ・フィユ・マル・ガルデ」(1789年にフランスにて初演)が相次いで上演される珍しい事態が発生します。
現在上演される全幕バレエのなかでも『ジゼル』とともに最古の部類にはいる田園バレエであり、ジャン・ドーベルヴァルによって振付けられた最初の演出は失われたものジョン・ランチベリー編曲によるアシュトン版はじめ世界各地でさまざまの演出が上演されています。6月に、英国ロイヤル・バレエ団が来日し、アシュトン版『リーズの結婚』を上演。同時期に谷桃子バレエ団が十八番のひとつ『リゼット』公演を行います。そして来る2月にはNBAバレエ団がアメリカン・バレエ・シアター経由のニジンスカ版『ラ・フィユ・マル・ガルデ』を日本初演するのが早春のバレエ界の大きな話題のひとつ。
コミカルで楽しめる演劇的なバレエであり、演者の力量も問われます。しかし、初心者にも入りやすいだけに、上演の機会が増えてもいいレパートリーでしょう。今年は趣の異なる版に直に接することのできるまたとない機会。見比べが楽しみなところです。