NBAバレエ団による東日本大震災への支援活動

東日本大震災への支援活動を行う芸術団体は内外数多くチャリティ・イベントも相次いでいる。義援金を募る公演は後を絶たない。それらの模様は、各種メディアにて報じられているし、バレエ・ダンス界の動きを調べ報告してくださるブログ等もある。
このblogでは、熊川哲也のKバレエカンパニーの支援活動の模様、松山バレエ団森下洋子が被災者の方々へ向けたメッセージ、それにコンテンポラリー・ダンスの全国ネットワークであるJCDNの活動等をお知らせしてきた。
バレエ界でさらなる動きがあったのでお知らせしておく。
NBAバレエ団が公式ホームページにて下記の声明を出している。

・3月29日、NBAバレエ団は、日本赤十字社義援金100万円を寄付いたしました。
・4月10日に開催されます「スプリングバレエフェスティバル」ならびに、6月18日・19日に開催されます「第8回トゥールビヨン公演」の会場で募金箱の設置し、日本赤十字社へ寄付させていただきます。
・被災された地域のバレエダンサーの仲間達を支援すべく、NBAバレエ学校での無料レッスンを実施いたします。

このバレエ団は、1993年に新日本芸術バレエアカデミーとして発足し、日本バレエ劇場の結団を経て、2001年には特定非営利活動法人に認可されている。全国各地のバレエスタジオの集合体というのが大きな特徴。会員同士の互助活動を行いながら、古典や近現代作品の復刻上演等も行い、バレエ界に新風を吹き込んできた。
各種芸術団体の公益増進法人への移行が話題になるが、NBAバレエ団はNPO法人としてバレエ通の関心を呼ぶマニアックな作品等を紹介すると同時に、学校や養護施設といった社会施設にも出向して実演を行い、バレエ芸術の普及・社会貢献を果たしている。今回の支援活動もこれまでの延長上にあるものとして受け取れよう。
未曾有の大災害に際し、舞台芸術界では、「芸術に何ができるのか?」ということが語られる。いまさらながらそういうことを考えるのか?という批判や揶揄も含め考え方はいろいろあると思う。過去の言動も問い直されるところだが、何よりも現在さらには未来の活動が問われてこよう。NBAバレエ団のように公益性・社会のなかでの芸術活動というものを考え活動してきた団体には、これまで以上に率先した活動が期待される。NBAには、全国のスタジオとのネットワークという強みも。さらなる展開が望まれる。

バレエ「白鳥の湖NBAバレエ団

fantastic Ballet!「 枕詞に導かれた3つの踊り 」