相次ぐ情報誌・カルチャーマガジンの休刊、そして舞踊関連メディアの現在・未来
先日、ぴあ株式会社がイベントなどの情報誌「ぴあ」首都圏版(隔週刊)を7月21日発売号で休刊することを発表したのは周知のことだろう。昨年6月には中部版、同10月には関西版が休刊に。39年の歴史を持つ老舗情報誌はすべて休刊になるようだ。
ぴあ、首都圏版を7月に休刊 ネット普及で読者減少
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819696E0E0E2E3E08DE0E0E2E6E0E2E3E39C9C91E2E2E2
ネットを通じての情報収集が容易になって、情報誌が売れなくなったようだ。一時代を築いたカルチャーマガジンで、株式会社インファス・パブリケーション発行の『STUDIO VOICE』は部数低迷により2年前に休刊し、『コンポジット』『インビテーション』の編集長を務めた菅付雅信が鳴り物入りで立ち上げたカルチャーマガジン『リバティーンズ』もマニアックな支持は得たようだが昨秋4号であえなく休刊に。いかに情報が精確であっても、いかにセレクトされ質高い記事であっても、情報量の多さや新しさ、何よりも無料であるというネットの強みの前に抗することは容易ではないのだろう。
バレエやダンスの場合、残念ながらマイナーな市場であるが、既存の商業ラインに載った雑誌や業界紙、小出版ながらポリシーある媒体は健在ではある。一部ネットでも読めるフリーマガジンが台頭してきてもいる。各媒体ともしっかりと刊行を続けているのは頼もしい(日本舞踊等の「邦楽と舞踊」は先日、版元社長逝去により惜しくも休刊)。
ネットが発達・普及し、公演団体のなかには、ブログやSNSを積極的に用いてファンとの交流をはかっているところも出てきた。書き手も各種紙媒体の求める/あるいは求める以上の記事を提供すると同時に、ネット媒体の開拓に加え個人ブログやSNSでの情報発信・情報共有ふくめネットを活用した活動を両立させることが常となっている。
個人的には紙媒体信奉者なところがあり、情報誌がなくなっていったりするのを見るのは寂しい。が、既存の媒体にきっちり書く機会を得るよう努力しつつ時代や状況に即した新たなメディアにおいて情報を発信・提供し受け取ることを意識して活動しなければ、新たな時代の趨勢に取り残されてしまうということなのだろう。
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