今年設立40周年の東京バレエ協議会が公式HP開設

今年で設立40周年を迎えた東京バレエ協議会の公式HPが11月1日付で開設された。
http://www.tba-ensemble.com/
同協議会の設立経緯は以下のようになる(HPより)。

1968年、文部省の外局として文化庁が設置されたのを機に、日本のバレエ界と文化庁を結ぶパイプラインとして連絡協議会が組織されました。そこに集まった団体の中から、それぞれが直面している共通の悩みや問題を協力しながら解決しよう、明日のバレエ界の発展のために自由に討議する場をつくろうという声があがり、1971年にスターダンサーズ・バレエ団、チャイコフスキー記念東京バレエ団、牧阿佐美バレヱ団の3つのバレエ団によって結成されたのが、東京バレエ協議会です。その5年後に東京シティ・バレエ団が加わり、現在まで続く4つのバレエ団による組織となりました。

文化予算を獲得したり、実演家の社会的地位の向上を訴えたり、観客層を広げていくためには、自助努力だけでは難しい面もある。バレエ団の枠を超えて協力すべきところは協力するというのは当然の流れであろう。とはいえ合同公演は行わない。それぞれの芸術理念を尊重する。所属団体が公演を行う時に後援するという形を取る。「四大バレエ団競演」という形で一夕の公演を持つときも個々が独自の演目を出してきた。
現在の東京バレエ協議会の活動としては、各団体の公演を後援、機関誌を年1回発行している。また、東京都の都民芸術フェスティバルを持ち回りで受け持っているようだ。来年度は、スターダンサーズ・バレエ団と東京シティ・バレエ団が参加する。
新国立劇場ができてバレエ団を持ち、テレビ局がバックアップするKバレエカンパニーが躍進するなか、民間の団体は減少気味の文化予算を何とか獲得し、そのなかで懸命に公演活動を続けているのが現状と思われる。そんななか本年度の文化庁の文化芸術振興費補助金(トップレベルの舞台芸術創造事業)において、東京バレエ団が舞踊部門で採択件数・総予算額でトップであり、牧阿佐美バレヱ団、スターダンサーズ・バレエ団は東京圏での定期公演すべてが採択されている。各団体の長年の実績と常日頃の活動が評価されている証であり、バレエ協議会の存在感を示してもいよう。
近年ようやく一般社団法人に移行した東京シティ・バレエ団は、このところ江東区と芸術提携を結び年4回の活動を基盤にしている。一部に“江東区のバレエ団”という呼称もあって、バレエ界での存在感という点で、いささか弱いのは否めない。が、堅実に活動を続け地域密着姿勢を十数年にわたって続け培ってきた親しみやすいバレエは貴重。地域未着という点では、“日本が生んだ世界のバレエ”とも称される東京バレエ団が来春、地元の目黒にある、めぐろパーシモンホールで、子どものための『眠れる森の美女』を新制作することが報じられている。公的な助成・支援を受けていたり、公益法人等の認定を受けて活動する団体にとって地域への貢献がより求められてもくる。シティというか前理事長・石井清子の働きは先見の明があったといえるかもしれない。


素顔のスターとカンパニーの物語 闘うバレエ (文春文庫)

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バレエに育てられて―牧阿佐美自伝

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